<博士論文>
サイン音の機能イメージおよび擬音語表現の分析

作成者
論文調査委員
本文言語
学位授与年度
学位授与大学
学位
学位種別
出版タイプ
アクセス権
JaLC DOI
概要  総合的なサイン音設計指針を考えるための知見を示すことを目的とし,サイン音の音響特性と「警報」「呼出」などの機能イメージ,および擬音語表現との対応関係を分析した。  序章では,本論文の背景となるサイン音の現状と問題点について,これまでに行われてきた研究を踏まえて論じた。サイン音はその伝えるべき機能イメージが適切に,かつ容易に理解できるようなサイン音デザインが必要であり,現在のサイン音には改善の...余地がある。これまでに機能や利用場面を限定した形での研究は行われているが,多種多様なサイン音が存在している現状において,効果的な情報伝達手法を確立するためには,適用範囲を限定しないで,種々のサイン音とその意味内容との関係を明らかにすることが必要であることを指摘した。また,サイン音の音響特性と機能イメージとの対応を整理する上で擬音語表現を採り入れる意義について論じた。擬音語表現を想定したサイン音のデザインによって,混乱を避けられる可能性を示した。  第2章では,既存のサイン音を対象とし,サイン音の機能イメージと音響特性,擬音語表現との対応を検討した。機能イメージの主成分分析を行い,「警報-操作」「報知」「呼出」「警告告知」「終了」の5つの主成分を得た。このうち,「警報」と「操作」は一つの主成分であり,機能イメージ上で正反対の概念である。これまでに数多く検討されて来た,「警報」「終了」などの印象のみではなく,「呼出」「報知」などの機能イメージがこれらと独立して存在することが示された。また,それぞれの機能イメージ主成分と,物理特性および擬音語表現の対応が確認された。警報感を伴う音は「ピピピピ」等に擬音語表現される繰り返しを伴う音,あるいは「ブー」と表現される継続時間が長く倍音の豊富な音,操作のフィードバックに適するのは「ピッ」で表現される短い音,報知に適するのは立上りが緩やかで拗音を伴って表現される音,呼出感の強い音は「ピリリリ」等で表現される変化速度の速い周期的変動音,警告告知のイメージを伴う音は「ブー」など有声子音を用いた基本周波数が低く周波数成分が豊富な音,終了のイメージを伴う音は「ピーピー」等のように長音を伴った繰り返しで表現される音か,長い減衰時間を持ち「チーン」などと長音と撥音を伴う表現がされる音である等の傾向を得た。  第2章で得られた結果は,既に利用されているサイン音を分析対象としているため,音を規定する各種の物理的特性が交錯した状況下のものであった。そこで,合成音を用いて音響的特性を統制した中で,これらの対応を検討した。  第3章では,振幅変調音の各種属性の変化によるサイン音としての機能イメージおよび擬音語表現の変化を検討した。その結果,変調周波数によって擬音語表現が変化し,特に,第2音節以降でラ行の同一音節を繰り返す擬音語表現や,第1音節に有声子音を用いる擬音語表現と変調周波数との対応に,roughnessとfluctuation strengthが関係していることを示唆する結果が得られた。roughnessとfluctuation strengthの境界付近の変動感を「ピリリリ」などのように第2音節以降をラ行で繰り返す擬音語で表現し,それが「呼出」のイメージと対応していることが示された。また,roughnessを知覚するような変調周波数の高い音に対しては「ビー」などのように第1音節に有声子音を用いる擬音語表現がなされ警告感と対応すること,このような変調周波数の音で変調波の種類などの影響によって広い範囲に周波数スペクトルが分布することで警告感が強まることなどが示唆された。  第4章では,周波数変調音の各種属性の統制によって,周期的な周波数の変化に対するサイン音としての機能イメージおよび擬音語表現の変化を検討した。その結果,第2章の振幅変調音を用いた実験の場合と同様に,変調周波数によって擬音語表現が変化し,さらにそれに伴った機能イメージの変化が観察された。また,変調周波数が十分に低い場合には,周波数が変化に伴う母音の変化が見られ,振幅変調音の場合と異なる機能イメージとの対応も観察された。第3章の振幅変調音の場合には,「ピーピーピー」などのように長音を伴って同一音節が繰り返される表現がなされ「終了」にイメージと対応したが,このような変調周波数でも,周波数の変化が伴うことによって「終了」のイメージは想起されず,「警報」のイメージが想起されることなどが示された。  第5章で,各章で得られた結果を総合的に考察した。繰り返し周期,立上り特性,減衰特性などのサイン音の時間特性,および周波数特性による機能イメージの違いをまとめ,さらにこれらの音響特性を反映する擬音語表現と機能イメージの対応を示した。擬音語表現と音響特性との対応についても総合的に考察した。続きを見る
目次 目次 第1章 序論 第2章 サイン音の機能イメージと擬音語表現に関する現状調査 第3章 振幅変調音のサイン音としての機能イメージと擬音語表現 第4章 周波数変調音のサイン音としての機能イメージと擬音語表現 第5章 全体的考察 謝辞 関連論文 参考文献

本文ファイル

k082-01 pdf 88.7 KB 300 目次
k082-02 pdf 611 KB 235 第1章
k082-03 pdf 1.16 MB 220 第2章
k082-04 pdf 1.39 MB 229 第3章
k082-05 pdf 908 KB 189 第4章
k082-06 pdf 757 KB 234 第5章
k082-07 pdf 24.4 KB 177 謝辞
k082-08 pdf 16.0 KB 163 関連論文
k082-09 pdf 235 KB 197 参考文献

詳細

レコードID
査読有無
報告番号
学位記番号
授与日(学位/助成/特許)
受理日
部局
所蔵場所
所在記号
登録日 2009.08.13
更新日 2020.11.11

この資料を見た人はこんな資料も見ています