<博士論文>
都心部における路面店ファサードの類型化とデザイン計画の方向性 : 中国の南京市と日本の福岡市の比較を通して

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概要 都心部における路面店ファサードは、産業化、国際化の急速な進展、および新しいライフスタイルの多様化に伴い、より良い品質や快適性を重視すると同時に、地域性や特徴を創出することが必要である。本研究は、姉妹都市である日本の福岡県と中国の江蘇省についての各県都の福岡市と南京市をケーススタディーとして、両都市の都心部の路面店ファサードの各構成要素と、ファサードが人に与える印象評価との関連性に基づき各類型のファ...サードの特徴を明らかにし、各類型のファサードデザインの方法、および都心部における路面店ファサードデザインの方向性を導くことを目的とした。本論は、ファサードをデザインする専門分野において各構成要素によりファサードの各特徴を作り出すことを研究するところから着手した。まず、既往研究や路面店ファサードの現状により、各構成要素を路面店ファサードの外形を表す構造要素(形状、縦横比、開放率、シンメトリー、素材)、雰囲気を作り出す装飾要素(装飾、色)、店の宣伝、利用者のニーズや行動と密接な関係を結ぶ補助要素(看板、文字、スタンドサイン、壁面広告など)の3つに類型化した。これらの構成要素の物理量調査の結果を用い、クラスター分析を行い、両都市の服飾用品業態・生活用品業態・飲食業態の101件の路面店ファサードを6類型に分類した。この6類型は伝統建具型(南京市)、伝統建具型(福岡市)、窓口型、多彩・広告型、開放型、閉鎖型である。そして、各類型の構成要素の比較分析の結果から、福岡市のファサードの独自性は、各業態の地域性や歴史性が重視され、伝統的な建築の建具のほかに、布、植物や木など自然の素材が多く使用されていた。それに対して、南京市のファサードは、伝統の歴史や文化を受け継ぐ地域性のあるファサードは尐ないが、多彩・広告型のファサードが多く、多種な色、大きく書かれた店名、多くの壁面広告などにより、目立つ効果が求められている。また、開放型と閉鎖型は南京市と福岡市の共通性であることが示された。更に、両都市の3業態の大分類と8業態の小分類の構成要素についてその特徴を把握することができた。また、路面店ファサードの印象評価による各類型の特徴を把握するために、前章の結果に基づき、両都市の各業態の6類型から、3件ごとに(最小2サンプル)、合わせて65サンプルを調査対象とし、12対の評価用語項目と自由回答を含むアンケート調査を行った。評価用語のSD法調査結果に基づき主因子法の因子分析を行い、質因子や親近因子、特徴因子の3つの共通評価因子が得られた。また、因子得点平均値の比較分析の結果から、両都市の路面店ファサードは、全体的に質因子の差が大きいことが明らかになった。特に、南京市の路面店ファサードは目立っており、特徴があるという傾向があった。そして、各業態の大小分類別のファサードについての印象評価の特徴も明らかになった。更に、自由回答の結果から、ファサードの構成要素とファサードのデザインの質やまとまりは密接な関係があることが示された。一連の路面店ファサードの構成要素の物理量調査と印象評価の調査の分析結果に基づき両者の関連性を考察した。まず各構成要素と「質因子」との関係において、つり合いがとれる各構成要素と、こだわりのある構成要素の設置方法、各構成要素と業種業態との適用の方法、各構成要素の管理、メンテナンスの方法に基づき、ファサードの品質を作り出すことができる。次に各構成要素と「親近因子」との関係において、親近因子は、各類型の形状、開放率、素材、色、トーン、イスやテーブルなどの構成要素、および各構成要素のまとまりや清潔感との密接な関係があると考えられる。そして、装飾要素や各類型の構成要素のまとまり、各構成要素の管理、メンテナンスなどと「特徴因子」との関連性が最も強いと考えられる。第2章の路面店ファサードの構成要素の特徴の調査分析の結果により、都市の都心部における路面店の業態別ファサードデザインには、「伝統建具型が料理飲食業態に適用できる」、「多彩・広告型が日用生活用品業態、軽飲食業態に適用できる」、「開放型が服飾用品業態、喫茶業態に適用できる」、「閉鎖型が料理飲食業態、遊興飲食業態に適用できる」の4種類がある。また各類型の路面店ファサードのより良い品質、快適性、地域性と特徴を創出するために、路面店ファサードの各構成要素と「質因子」や「親近因子」、「特徴因子」との関係、両都市のそれぞれの路面店ファサードの問題点に対するファサードデザインの考察より、各類型の路面店ファサードのデザインの方向を導き出した。この方法より都心部における路面店ファサードデザインの方向性を定めるため、都市の地域性と文化特性の把握や各業態の大小分類の特徴の把握、各構成要素と3評価因子との関連性、および利用者の生活習慣・嗜好の把握などの4つの課題、構成要素のデザインの検討、メンテナンスの計画などの重要な留意点を抽出した。本研究は、地域性、特徴、親近性、まとまりのある、高質な路面店ファサードをデザインすることに有力な手がかりとなる。本論のファサードデザイン計画の方向性は、路面店ファサードの各構成要素の問題を改善・解決することに役立つものと期待する。
The purpose of this research was to guide the direction of the types, characteristics and design planning of different business store facades in city centers based on the study of the relationships between the components and impression evaluations of facades in city centers in the case study of the two sister cities of Fukuoka (the provincial capital of Fukuoka province, Japan) and Nanjing (the provincial capital of Jiang Su province, China). In the main discourse, we start with discussions concerning the study of creating facade characteristics by each component in the field of facade design. First, with the previous studies and the current situation of facades, we classified the components into 3 types: the structural component, which represents the outline of store facades (such as shapes, proportions); the decoration component, which creates atmosphere (such as decorations, colors); and the Auxiliary component, which relates to advertising, or users’ actions and needs. By using the large amount of preexisting physical research on these components, and performing cluster analysis and comparative analysis on each component type, we were able to better understand the component characteristics of the facades in the fashion, household goods, and restaurant businesses. With the survey including an impression evaluation (using the SD survey method) and free answers, and using a comparative analysis of the principal factor method’s factor analysis and factor scores, which were based on the results of the survey, we were able to make the facades’ impression evaluation clear according to the type of business. In the analysis of the free answers, for easy perception of the characteristics of each business type, we extracted the 10 best and worst samples, and analyzed the results of the free answers for the components’ design of these samples. With the analysis results, we can say that the facades’ impression evaluations were strongly influenced by the design of the facades’ components, components’ unification, applicability of each component to the business’ characteristics, management and maintenance of each component, and so on. Moreover, with the discussion about the relations between the facades’ components and impression evaluations’ quality factors, familiarity factors, characteristic factors, and the issues of store facades in the two cities, we can guide the direction of the facade’ types for each business type, and the design planning of store facades in city centers. In this way, for each type of component (such as traditional joinery type, colorful・advertising type, open type and closed type) we were able to make common and separate design points and introduce a plan for each component’s maintenance clear. Also, in order to determine the direction of store facades’ design in city centers, we extracted important mindful points.
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09_conclusion pdf 2.16 MB 894 結論 終章
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05_chapter2 pdf 2.69 MB 1,470 第2章
03_preface pdf 307 KB 1,055 序論 序章
02_contents pdf 103 KB 292 目次
01_cover pdf 61.5 KB 171 表紙

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授与日(学位/助成/特許)
受理日
部局
登録日 2013.07.10
更新日 2020.10.09

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