<博士論文>
ウェブ画面における読みやすい文字表現の研究

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指導教員等
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概要 インターネット利用人口の急速な増加と情報の世界的な普及によって,インターネットの新たな媒体としての重要性が高まっている。特に,ブラウザさえあればコンピュータや製作したアプリケーションに依存せずに同じ文書を見ることができ,ハイパーテキスト形式によって自由に文書間を移動し,必要な情報を集めることができるWorld Wide Web の登場がその発展の一因を担っている。
インターネット上で情報を与えている...ウェブサイトの多様化が進んでも,情報の伝達やユーザーの説得のための主な手段はやはり文章である。従って文章が画面にどのように表示されるかということは,きわめて重要な問題である。文章は短時間でユーザーの注意を引き,情報を伝える必要がある。
このような目で改めて見ると,現在のウェブページの文字は,ほとんどが非常に読みにくい。それらは文章の行間があいていないページや文字のサイズが小さいページ,背景が明るすぎているページなどその原因は様々である。
モニター上のテキストの読みやすい環境について読者であるユーザーにアンケート調査を行った。その結果,例文で最も低い評価を得たのは黄色の背景の文字であった。この結果から,文字を読むのに,モニターの発する光の影響が考えられる。紙の上に印刷された文字と違って,光を発する画面であるモニター上の文字を読むのには光の量に大きく影響される。背景色の項目でグレーの背景の場合が最も高い評価を得ているのもそのためだと思われる。
次に低い評価を得たのは,行間の変化による文字の読みやすさの設定をしなかった例で,行間が文字を読むのに大きな影響を与えていると思われる。
文字の読みやすさに影響を及ぼす最も重要な要素に,文章の行間と背景の色,つまり画面が発する光の量があることが判明した。
モニター上テキストの読みやすい環境に関するアンケートの中で,テキストの背景色の変化について,最も高い評価を得たグレーに着目し,背景の明度の変化による可読性の違いを分析した。その結果,明るいグレー(#DDDDDD)の背景が一番多く,白い背景,グレー(#BBBBBB),また黒い背景に白い文字を選んだ人もいた。
続いて画面上でテキストを読む際に背景明度の変化だけではなく色の変化は可読性にどのような影響を与えるのかを調査分析した。背景色の変化の段階を明度差による読みやすいアンケートから得たグレーの色相・明度・彩度(8.48GY8.58/0.79)を基に,マンセルシステム基本5 色の変化とグレーで6 段階に設定した。その結果,背景の色相を黄系にしたのが一番多く,その他青系の背景,灰色・紫系の背景,赤系・緑系の背景順に分散された。
この結果から,モニター上で文字を読むのにモニターから発する光を感じられないような環境,つまり8.5 位の明るい明度と0.8 位の低い彩度の背景が必要なことが分かった。色相については一番読みやすいと選ばれた黄系の背景からみると,赤系や青系のような色より,柔らかく刺激のない黄系の方がよいと思われた。
今までのタイポグラフィは,印刷媒体の中で文字を扱う視覚的なデザインのことを示していた。しかし,現在は印刷を通じなくても画面上に表示するような新しい方法が登場している。既存のタイポグラフィの要素と同様に画面上での読みやすい文字の環境が重要になっている。
インターネット上の情報は数え切れないほど多く,またこの情報を利用する人も急速に増えつつある。しかし,インターネット上のウェブデザインにおけるタイポグラフィに関する研究はまだ進んでない。今まで印刷物のデザインを担当していたデザイナーがそのままウェブデザインを担当することになったが,印刷分野のデザイン技術はウェブページデザインには応用できない部分があると指摘されている。
そこで,本研究ではウェブページをデザインするときに注意すべき文字に関する画面上のタイポグラフィのあり方について考察し,ユーザーが使用しているコンピュータやブラウザの個人設定によって違って見えるウェブページを制作者が意図した読みやすいテキストや色などで見せるための設定方法を述べた。
本研究は,ブラウザ上で理解しやすく読みやすい文字表示を目的に進めてきた。しかし,制作者のデザイン能力により文字を読みやすく表示することだけでなく,コントロールできないユーザーの環境にも文字の見え方が異なるとの問題点もあった。
そこで今後の課題として読みやすさに関する要素をさらに,モニター上の表示に関わる部分とユーザー個々の環境による部分に分けて研究を進めていく必要がある。
まず,考えられることは,本論文ではモニター解像度による文字表示の制限で除外した明朝体やゴシック体といった書体について読みやすい程度などを調査することである。また,背景色と文字色のコントラストの差による読みやすさについて注目したい。ウェブページの個性を表すため,また,画面から発する光を感じられないような背景色と,読みやすいコントラストの文字色の関係についてさらに研究を進めなければならない。
そして,ユーザー側の環境では,モニター画面を照らす照明道具や明るさ,または,ユーザーの目と画面との距離や角度による読みやすさの違いについて検討する必要にも着目したい。
本研究によって印刷における読みやすさと画面上における読みやすさの共通点と異なる点が明らかになり,標準的なフォーマットを作ることができたが,この検証と,さらに積み残している研究課題について今後も取り組んで行きたい。
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目次 目次
第1章 研究の目的と論文の構成
第2章 インターネット上の文表示方法
第3章 ブラウザ上での文字のよみやすさに関する一次調査
第4章 新聞サイトの記事の表現方法
第5章 ブラウザ上での文字のよみやすさに関する二次調査
第6章 モニター上の文字の背景の明るさの調節
第7章 モニター上の背景の色の調節
第8章 ブラウザ上のでの読みやすい文字表示
第9章 総括
謝辞
付録:参考文献及び資料
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k058-001 pdf 20.0 KB 274 表紙
k058-002 pdf 154 KB 264 目次
k058-003 pdf 686 KB 222 第1章
k058-004 pdf 2.37 MB 187 第2章
k058-005 pdf 25.8 MB 240 第3章
k058-006 pdf 1.02 MB 174 第4章
k058-007 pdf 14.1 MB 170 第5章
k058-008 pdf 703 KB 143 第6章
k058-009 pdf 11.5 MB 160 第7章
k058-010 pdf 5.36 MB 184 第8章
k058-011 pdf 558 KB 185 第9章
k058-012 pdf 87.9 KB 155 謝辞
k058-013 pdf 2.69 MB 137 付録

詳細

レコードID
査読有無
学位記番号
授与日(学位/助成/特許)
受理日
部局
所蔵場所
所在記号
登録日 2014.01.24
更新日 2020.10.06

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