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概要 |
コンピュータグラフィックス(Computer Graphics: CG)の研究分野ではこれまでに写実的な表現ばかりでなく、非写実的な表現(Non-Photorealistic Rendering: NPR)も様々な目的に応じて研究されている。このNPRでは水墨画や水彩画、油絵などの絵画調表現が行われている。染め物を題材とした研究としては2004年にろうけつ染めの表現手法が提案されているのみである。...本研究は、NPRにおいて画材としての布染色モデルを確立することを目的としている。 布への染料拡散の視覚的特長としては糸毎に現れるすじや場所は隣り合っていても色の濃淡がまだらに現れているものなどがあげられる。これらは糸内での拡散が糸の材質や縒り方、繊維の方向などによって影響を受けるために起こると考えられる。このように様々な物理的要因によって染色の視覚的特長が引き起こされている。本研究では実際の染色過程、染色技法、布の織構造などの機能を、appearanceベース、physicsベース、そして染色理論ベースの三つの異なるモデルとして提案する。appearanceベースのモデルでは、布繊維内での染料量をセルオートマトンによって時間軸に沿って平均化していくことによって拡散のシミュレーションをしている。このモデルはシンプルであるため、比較的処理が高速にできるという特徴がある。physicsベースのモデルでは織布中での染料の拡散をFickの法則に基づき表現している。更にphysicsベースによるモデルを染色理論に基づきパラメータ化したモデルでは、織構造や染料の種類などが染料の拡散に影響を与えるモデルへと発展している。このモデルでは布内のパラメータとして繊維の空隙率を表した多孔度や繊維のねじれを表す屈曲度などを用いており、このようなパラメータを操作することによって染色の視覚的特徴を表現することができる。他に、染色表現に重要な因子として、布の織り構造、布の一部に糊や蝋を置いたり糸で縛ったりすることによって染料の拡散を防ぐことで模様を表現する防染技法、染料の布への吸着などの要素をモデル化する方法を提案している。実験結果によると本研究で提案する染料拡散手法が模様を生成するための染色技法を柔軟に考慮できることができることがわかる。続きを見る
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目次 |
はじめに 第1章 序論 第2章 染色 第3章 appearance ベースによる染色モデル 第4章 physics ベースによる染色モデル 第5章 physics ベースによる染色モデルのパラメータ化 第6章 本研究で提案する各種法の比較と考察 第7章 結論 謝辞 参考文献 付録1 附録2
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