作成者 |
|
本文言語 |
|
出版者 |
|
|
発行日 |
|
収録物名 |
|
巻 |
|
開始ページ |
|
終了ページ |
|
出版タイプ |
|
アクセス権 |
|
JaLC DOI |
|
概要 |
日本語の談話はこれまでに数多く研究されてきている。日本人の会話のスタイルは例え ばアメリカ人にとっては論理的でないと感じられても,日本人自身にとっては独自の論理 性を含み,曖昧な発話であってもその含意された意味を日本人は推測しながら相互にコミュ ニケーションを行っている。本研究では,「断り」の談話を12場面設定し日本入母語話者に よるロールプレーを実施し,日本入の「断り」方略の特徴を明らかにした。...自分より地位 が上の人に対しては,本当は断りたいにも関わらず「断り」を貫き通すことができない場 面がいくつかあり,「タテ社会」の特徴が被験者の方略に影響を与えていることが確認され た。一方,「タテ社会」であっても地位が上である相手の感情を害さずに「断り」に成功し ている例を挙げ,その特徴を明らかにした。自分より下の地位や同等の地位の人には「直 接的」に断っている場面も数多く観察された。これは,日本人が「曖昧さ」を好むという 通説を覆す結果であるが,その「直接的」な表現には相手の感情に配慮した工夫が数多く 観察された。本研究の最後の部分では,日本人母語話者が「断り」の意図をもって発した 間接的な「断り」表現を,聞き手がどのようにして「断り」として推意するのかという過 程を,Sperber & Wilson (1986)の関連性理論を用いて明らかにし,その発話を発した被 験者のもつ推意前提のいくつかを例示した。続きを見る
|