<博士論文>
韓国の看板デザインの歴史的変遷とその社会的文化的背景の分析

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指導教員等
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概要 本研究韓国の看板デザインの歴史的変遷とその社会的文化的背景の分析を目的とし5章で構成されている。   第1章は、序論として研究の目的、研究方法、および看板の定義を明確にした。韓国における看板の歴史的研究は全くされていないため、主に文献と絵画、写真資料、現地調査を元に分析を行った。本研究における看板は伝統的な商業標識である「目じるし」を含め、「商業のために使われている商業標識全般」と定義した。 ... 第2章は、韓国における看板の出現と伝統的な商業形態を中心とし、看板の出現を基盤とした高麗時代の社会構造や都市の基本性格、および看板の特徴を考察した。続いて、朝鮮時代の商業と看板の特徴、市場の機能と役割、常設市場の発達過程、商業建物の特徴、開港後の都市の商業と看板の特徴について考察した。  第3章においては、絵画と写真に見られる朝鮮時代商業と看板を中心とした、ビジュアル的な資料に見られる当時の商業行為の特徴とされる男性中心の社会、酒店と旅宿、看板のない店舗について分析した。最後に韓国の看板と関連を持つ韓国の伝統的な建物標識と看板、扁額と懸板、柱聯、看板を意味する言葉の変遷について考察した。  第4章においては、韓国の近代化と植民地時代の看板を中心として分析した。主に、大都市を中心とした看板の特徴と植民地政策による日本語教育とハングル、またハングルがもつ社会的意味について考察した。また、写真にみられる植民地時代の看板の特徴を看板の文字や素材、形態、看板に書いている内容と分けて考察し、また、当時の看板の調査資料である『朝鮮人の商業』から商店名、文字、形態、素材などについて分析を行った。  第5章においては、現在の韓国の看板の成立過程と特徴において大きく影響していたハングル政策である日本式看板撤去運動とハングル専用表記運動、国語醇化運動について述べた。また、韓国の代表的な都市であるソウルの仁寺洞看板と伝統的な都市である慶州の看板文字を調査結果をもとに、ハングル看板の表記方式、文字の種類、ハングル看板の書体などの特徴を明らかにした。最後に、韓国の看板の歴史的変遷とその意味について結論を述べた。  韓国における看板の大きな特徴は「看板文字」を軸として形成され、変化、発展してきたことである。文献上では高麗時代から看板に漢字が使われてきたが、その文字表記は朝鮮時代を経て今日に至るまで、社会的変化に大きく影響され、時代別に大きな特徴を表わしてきた。 看板に関する最も早い記録である『高麗図経』には市場の坊門には永通、廣徳、興善、通商・存信・資養・孝義などの内容の看板が設置されていたと述べられている。これらの看板は全て2文字であって、商業とは直接関係のない儒教的思想や経営信条などを主に表していた。朝鮮王朝に入ってからは、官設商店や六矣廛は、基本的に一つの店には一種の商品を販売していた。このような常設商店は御用的生活を持ち、その規模や売っている品物によって「廛」、「店」、「房」、「局」、「家」など、それぞれ異なる言葉を表わした。このように朝鮮時代の看板には主に売っている商品の名が商店名となっていたが、看板という言葉は統一されておらず、「榜木」、「懸額」、「懸板」など多様な言葉で表わしていた。これらの言葉が持つ意味の関連性や一般的な建物標識との区別のため、伝統的な看板を「商業懸板」と定義した。 朝鮮時代末期からは身分制度の崩壊や日本による植民地政策が本格化されていくにつれ、ハングル教育とその使用の重要性が高まってきた。この時期は漢字だけではなく、ハングル、ひらがな、カタカナ、アルファベットなど様々な文字が各々混じって使われるなど、植民地政策による社会的な状況を著しく表わしていた。書かれている文字の内容は、主に売っている商品の種類や商号を表していたが、それだけではなく、商品の品質の説明や店の住所、電話番号、店主の名前、シンボルマーク、商標、絵など様々な情報が書き込まれるようになった。韓国における看板という言葉はこの時期につまり、植民地時代に日本から移入された言葉であったことが明らかになった。 1945年、解放と共に日本式の看板は「ハングル専用運動」によって撤去され、中国の看板を除いたすべて漢字表記の看板はハングル表記に書き直された。これらのハングル政策は「看板のハングル化」という大きな軸を形成したが、表音文字である諸問題点を抱えながら、80年代からはハングルのみの「詩的な表現」を看板に用いて、商店名を一つのイメージとして与えようとする新たな現象を生み今日に至っている。
The purpose of the study is to examine how the signboard in Korea developed throughout its history referring to documentary evidence, paintings, and data collected on field trips. By examining signboards from the view point of their design, color, material, content, locale, and so on, it is possible to grasp the social background, business practices, lifestyles, and people's values in the various periods examined. One of the most predominant features in the signboard of South Korea is that Chinese characters were used. Chinese character started appearing in signboards from the Koryo period (918-1392) according to documentary evidence. The signboard in this period can be characterized by the fact that it did not carry information about merchandise or business matters but rather business philosophies and Confucius thoughts, such as "Practice virtue." Governmental stores appeared in Yi Dynasty (1392-1910), and they dealt basically with one commodity per store. Signboards showed the merchandise a store dealt in ; as a result, the name of the commodity eventually became the store's name. Until 1925 there had been no established word for "signboard." Then "Hanging business signboard" (sanup hyunpan) was invented for the traditional Korean signboard. During the colonial period (1910-1945), signboards carried Chinese characters, Japanese kana letters, and Roman alphabet because of a prohibition against using Hangul (Korean characters). Not only the name of merchandise but also the address and phone of the store, owner's name, trademark, and an explanation on the goods the store dealt in appeared on the signboards. After 1945, when Korea was liberated, the Japanese-type signboards were removed and replaced by signs with Hangul (phonetic script) under the national policy called the "Hangul only movement." Although there is some inconvenience in using Hangul for signboards, its use continues to be strong. In the 1980s, poetic expressions that are available to Hangul users began to appear in signboards. Through this research, I could find the fact that the word "kanban" was brought in Korea from Japan in the colonial period.
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目次 目次 緒言 第1章 序論 第2章 韓国における看板の出現と伝統的な商業形態 第3章 絵画と写真資料にみられる朝鮮時代商業と看板 第4章 韓国の近代化と植民地時代の看板 第5章 現在の韓国における看板の成立過程と特徴 結語 注 参考資料1 参考資料2 参考資料3 謝辞

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K029 pdf 23.9 MB 234  

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登録日 2013.07.09
更新日 2018.01.17

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