<博士論文>
画像技術を用いた畜産品及び工芸品の検査・設計支援システムの開発

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指導教員等
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概要 人間には、外界の情景を見て、どこにどのような対象物があるかを素早く判断できるという機能がある。このような機能を工学的に実現することができれば、種々の機械に“視覚”を付与することができる。視覚を持った機械は、自ら外界の状況変化を知り、それに適応的な動作をし、人間の代行として様々な仕事を能率良く実行するであろう。  上述のような機械を実現するための基本技術の一つは“画像処理”であると言えるが、計算機...の性能向上に伴い、画像処理の産業応用に関する研究は盛んに行われている。しかしながら、人間の視覚による作業を軽減、あるいは代行するためには、画像処理を応用した機械の、なお一層の開発が望まれている。  熟練した専門家の目視により品質評価されているものの一つに、牛枝肉の等級判定(格付け)がある。格付けは、牛枝肉の切開面を格付員と呼ばれる専門家が基準規格見本と照合する目視検査によって行われている。この格付け作業は低温の冷蔵庫中で行われており、格付員にとっては過酷な労働である。牛枝肉格付けを行う自動化技術の開発が望まれる所以である。  一方、陶磁器産業は、伝統工芸的色彩が強く、極めて付加価値性の高い産業である。この産業は多岐にわたる作業に依存している。しかしながら、熟練労働者の不足、若年労働者の雇用難は深刻な問題であり、又生産体勢の質的な高度化も求められており、陶磁器製造における自動化技術の開発は急務と言える。なかでも、陶磁器への線描き作業、絵付け作業は多数の熟練作業者を必要とし、これに関する自動化システムの開発が強く望まれている。  本論文は、画像処理技術の産業界への応用という観点から、牛枝肉等級の自動判定と陶磁器への描画の自動化についての研究をまとめたものであり6章から構成されている。  第1章では、本研究の背景と扱っている問題を示し、あわせて論文の概要と構成について述べる。  第2章では、牛枝肉の肉質のなかで最も重要とされている脂肪交雑の等級付けを、画像処理とニューラルネットワーク及び重回帰分析を用いて実現する方法について述べる。格付員は等級毎の基準画像と牛枝肉とを照合しながら等級付けを行っているので、まず等級判別のための基準を調べるために格付員への聞き取り調査を行い、この調査結果に基づいた等級付けのシステム化の方針について述べる。システムを安価で簡単なものにするために、4ビットの白黒画像を用いれば充分であることを実験を通して明らかにする。この4ビットの白黒画像は、脂肪領域を抽出するために更に2値化(脂肪領域とその他の領域)する必要がある。本論文では、3層ニューラルネットワークを用いて2値化する方法を提案する。ついで、重回帰分析を用いて格付員が目算している物理量の中から等級と相関の高い変量を求め、等級との関係式(重回帰式)を作る。重回帰式を用いて求めた等級が、格付員のものとよく一致することを示す。  第3章では、第2章で述べたシステムを更に精密にするために、牛枝肉の脂肪交雑をテクスチャパターンとして捉え、テクスチャ解析により脂肪交雑の等級付けを行う方法について述べる。テクスチャ解析手法としては、濃度共起行列を用いる。等級毎に10種の4ビット白黒画像を用意し、それに対して濃度共起行列を求める。等級毎に行列の要素を平均し、それぞれを各等級の標準テクスチャ特徴とする。入力画像のテクスチャ特徴と等級毎の標準テクスチャ特徴との類似度を求め、これを用いて入力画像の等級を決定する。この決定結果は格付員の結果とよく一致することを示す。  第4章では、陶磁器形状を3次元的に計測するシステムの開発について述べる。この計測システムでは、スリット光を陶磁器に照射し、その変化をカメラで撮像し、パソコン上のソフトウェアのみで画像処理し、高速に3次元座標値に換算する方法を提案する。陶磁器の凹部は、一般にカメラの死角になるので、2つのカメラを用いて死角への対処法についても述べる。本計測システムを用いて、コンピュータ画面上に3次元的に計測結果を表示し、陶磁器形状が正しく計測できることを示す。  第5章では、陶磁器への描写システムの開発について述べる。このシステムでは、前章の計測システムによる計測結果と、デザイン画とを3次元CADに入力し、計測結果から作成した計算機内の陶磁器に対してデザイン画を投影する。このシステムでは、投影されたデザインの線の軌跡のNC(数値制御)データをCADから出力し、NCデータにより動作す4軸描画ロボットで陶磁器への描画を自動的に行うことができる。実験では、意図したデザインを人間が写しかえるのと同じように自然なかたちで陶磁器へ描画できることを示す。  第6章では、結論を述べ今後の課題について論じる。続きを見る
目次 目次 第1章 序論 第2章 画像処理とニューラルネットによる牛枝肉の等級判定システム 第3章 テクスチャ解析による肉質の格付け 第4章 陶磁器の3次元形状計測システムの開発 第5章 陶磁器への自動描画システムの開発 第6章 結論 謝辞 参考文献

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登録日 2013.07.09
更新日 2018.01.17