<紀要論文>
スポーツ社会学における体系的一般理論の意義

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概要 本研究の目的は,体育・スポーツ社会学の現状と問題点の把握,そしてその一層の発展のための方法論的課題の指摘である。確かに,スポーツ社会学は近年急速に飛躍・拡大し,例えば研究者数の増加,研究領域の拡大と多様化,大規模調査の増加,多様な統計技法の適用,等々が指摘される。だがそれらの変化は決して発展を意味するものではなく,まさに“栄養不足で死に頻しつつある理論,一方厖大な資料を飽食し消化に悩まされている調...査"が研究の現状である。本研究ではこの現状を次の二つの視点から批判的に検討した。1)経験主義・実証主義の陥穽……従来の調査至上主義的傾向を,ハンスン,ポパー,ゼターバーグらの主張に基づき検討し,従来のような実態調査は個々の断片的データの無限の集積のみをもたらし,個別領域での個別的な経験的一般化以上には発展しえず,蓋然性の高い一般化的命題の導出は不可能であることを指摘した。それらは所謂「瑣末的あるいは素朴経験主義」といえよう。2)論理主義・歴史主義の陥穽……従来の多くの理論的研究では,思弁的精神と構成的精神の区別が曖昧であり,統一的・思弁的な説明原理・思考様式が採用された。その主要な思考法は,本質主義・歴史主義・優越要因説・決定論・自然法思想と呼ばれるものと共通する。現状の克服のためには,要因の作用様式と要因の分析範囲の一般性を保証する,仮説性を自覚したモデルビルディングが必要であることが指摘される。上記のように,スポーツ社会学の方法論的装置は全く貧弱であり,諸変数を記述・説明する分析的諸概念や概念図式はなく,まして経験的一般化水準における命題や諭理的モデル,等々は全く欠如している。このような現状においてはスポーツ社会学における体系的一般理論の構成が不可欠である。つまりそれは,一定の観点から事象を類別し選択し抽象化し,諸研究を方向づけ,意味づけ,統合するところの仮説構成体として機能すると同時に,演繹的分析理論として実証可能な個別的一般化命題の導出をも可能にする。本研究では,特殊理論・中範囲理論・一般理論の関連性と意義を検討すると共に,最後に体系的一般理論の構築のために,(1)普遍法則ではなく準不確定的・蓋然的決定論への、立脚,(2)本質主義や歴史主義ではなく方法論的名目論への立脚,(3)決定論的優越要因の追求ではなく諸要因の相互連関関係を定式化する概念図式と分析モデルの構築,(4)思弁的直観と区別されるところの経験主義的アプリオリズムあるいは分析的リアリズムヘの立脚,等々の必要性が指摘される。続きを見る

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登録日 2009.09.08
更新日 2018.06.12