<紀要論文>
風波成分波間の非線形エネルギー伝達 : 新しく開発した効率的な計算法について

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概要 欧州を中心としたWAMDIグループ(1988)が新世代の波浪予報モデルを開発し成果をあげている.これは, Hasselmann et al. (1985)が成分波間の相互作用による非線形エネルギー伝達を,近似的にではあるが陽に計算する方法を開発したことに負うところが大きい.しかし,その近似計算法は無数にある4つの共鳴成分波の配置をただ一つの配置で代表させるものであり,波浪スペクトルの形によってはそ...の適用に無理があると思われる. Masuda(1980)の厳密計算の結果によれば,非線形エネルギー伝達はスペクトル形に敏感に依存するからである. そこで,予報精度の向上をめざすために,仮定や近似をできる限り導入せず,非線形エネルギー伝達を厳密計算に近い形で効率的に計算する方法を新たに開発した.それは,Masuda (1980)の厳密計算法をもとに,共鳴成分波間の相互作用の対称性とそれらの配置の鏡像性を利用して,効率化を図ったものである.同じ波数分解能でMasuda(1980)の厳密計算法と比べると,計算の安定性と精度ではほとんど遜色無く,速度では150倍という高性能を有する. また,汎用性を吟味するために,この方法をいろいろな形状のスペクトルに適用し,Masuda(1980)の厳密計算法と比較した.その結果によれば, Hasselmann et al. (1985)の近似計算法を用いたときに著しく精度が低下する周波数集中度の大きいスペクトルや双峰性のスペクトルに対しても精度が低下せず優れた汎用性を実証した.続きを見る
目次 1. はじめに
2. 波浪スペクトル予報モデル
 2.1 予報モデルの基礎方程式
  2.1.1 波浪のエネルギースペクトル表現
  2.1.2 波浪のエネルギー平衡方程式
 2.2. 非線形エネルギー伝達
  2.2.1 成分波間の非線形相互作用
  2.2.2 非線形エネルギー伝達関数
3. 非線形エネルギー伝達の数値計算法
 3.1 Masudaの厳密計算法
 3.2 WAMモデルにおける近似計算法
 3.3 新しい計算法
  3.3.1 4波相互作用の対称性
  3.3.2 アルゴリズム
4. 計算結果と考察
 4.1 波数分解能依存性
 4.2 共鳴成分波間の周波数比の制限
 4.3 WAM法との比較
5. おわりに
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登録日 2022.01.18
更新日 2023.03.04

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