<紀要論文>
炭素鋼のせん断疲れにおける塑性変形について

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概要 繰返し応力によって生ずる塑性変形すなわち疲労変形の支配的因子を明らかにするのが本研究の目的である.このため主として炭素鋼 2種で作った管状試験片に,平掏せん断応力と繰返しせん断応力とを加え,応力繰返数Nにおけるせん断ひずみ rを測定してその結果を解析し,次の結論を得た.
1) 応力振幅τ_a が同じ場合,平坊応力τ_mの広い範囲で,せん断ひずみγ対繰返し数Nの関係は,一つのマスタ曲線dγ/dN=K/...Nで表わされる.ここに Kは近似的に平均応力に依存せず,応力振幅τ_aの函数である.個々の曲線はマスタ曲線の積分表示γ=KlogN+γ_o,γ=Klog(νN)であらわされ,その常数γ_0またはνはτ_mにも依存する.マスタ曲線はdγ/dN=A(N)^<-1>の特別な場合と考えられ,通常のクリープにおける対数クリープ法則と形式が類似している.
2)機械構造用炭素鋼 S15Cでは疲労変形係数Kと応力振幅τ_aとの関係は,材料の繰返応力ひずみ曲線の弾性阪界に近い応力の点を境として二つの式で表わされ,それらの式はτ_a=B(K)^nの形となる.
3)疲労変形は,平均応力と応力振幅とに依存するある繰返数を受けて始めて起ったり,ある繰返し数ののちとまることがある.変形停止のあと破断が発生することも少なくない.
4) 破断までの繰返し数は,同じねじり応力振幅のもとで平均応力が大きい程小さいとは限らず,その逆の場合も多い.
5)S45Cに関する研究によれば,疲労変形は温度の影響を顕著にうけ,低温での疲労変形は小さい.
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目次 1. 緒論
2. 試験片と材料の性質
3. 試験装置
4. 実験結果とその特徴
4.1. 疲労変形発生の限界
4.2. 応力振幅一定の試験片群の疲労変形曲線
4.3. 平均応力が一定または最大応力が一定の疲労変形曲線
4.4. 応力振幅とせん断疲れ変形係数との関係(S15Cの場合)
4.5. 平均応力と初期永久ひずみの関係
4.6. 平均応力を変形中に変更することの影響(多段変形)
4.7. 高力アルミニウム合金の疲労変形
4.8. 試験温度の影響
5. 考察
5.1. 疲労変形開始の限界
5.2. 疲労変形の挙動
5.3. 破断繰り返し数と応力の関係
5.4. その他の項目についての考察
6. 結論
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登録日 2022.01.18
更新日 2023.03.04

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