<博士論文>
抗がん剤による末梢神経障害および悪心・嘔吐に関する研究

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概要 末梢神経障害はタキサン系、プラチナ系およびビンカアルカロイド系の抗がん剤により頻発する副作用であり、特にパクリタキセルやオキサリプラチンによって高頻度で発現する。またシスプラチンによる悪心・嘔吐は発現頻度が高く、身体的および精神的状態の悪化を招くため、化学療法の継続に支障をきたす原因となることも少なくない。これらの薬剤はいずれも現在のがん化学療法の中心となる薬剤であり、末梢神経障害および悪心・嘔吐...を予防あるいは軽減することは、がん患者のQuality of Life(QOL)を維持し、化学療法を継続する上できわめて重要である。当研究室では、これまでにパクリタキセルによる過敏症(投与開始直後に生じる呼吸困難、血圧低下、肺浮腫など)にサブスタンスPが関与することを報告している。さらに、気管支喘息およびアレルギー性鼻炎に適応を有する抗アレルギー薬ペミロラストがサブスタンスPの遊離を抑制し、過敏症を改善することを明らかにしている。近年、サブスタンスPおよびその主な受容体であるNK1受容体が、神経障害性疼痛や悪心・嘔吐に関与することが報告されている。また、これまでの当研究室における基礎実験から、オキサリプラチンの急性神経障害でみられる低温知覚異常の発現には、カルシウムチャネル、nuclear factor of activated T-cell(NFAT)の活性化を介したtransient receptor potential melastatin 8(TRPM8)の発現増加が関与しており、カルシウム拮抗薬であるニフェジピンおよびジルチアゼムの予防投与が効果的であることが明らかとなっている。本研究では、当研究室のこれまでの知見をもとに、抗がん剤による末梢神経障害および悪心・嘔吐に関する基礎研究ならびに臨床調査研究を行った。続きを見る
目次 序論 第1章 パクリタキセルによる末梢神経障害におけるサブスタンスPの関与―オキサリプラチンとの比較研究― 第2章 シスプラチンによる悪心・嘔吐に対するペミロラストの改善作用 第3章 オキサリプラチンによる末梢神経障害に対するカルシウム拮抗薬の有用性―後向き調査研究― 総括

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登録日 2013.07.10
更新日 2023.11.21

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