<Doctoral Thesis>
Study on comfort of use of Tsumeeri school uniforms for high school boys : Proposals for and evluations of size, design and material

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Abstract 男子生徒に着用されている詰襟学生服は明治12 年より着用され続けており,近年の調査報告では詰襟学生服が生徒から改めて見なおされている点が興味深い。しかし窮屈感,着脱の悪さ,動きにくさ等の問題点も挙げられており,サイズ,設計,素材の検討が必要であると考えた。学生服の快適性の研究は,1 日の内の長い時間又3 年間という長い年月,強制的に着用を余儀なくされる衣服であるからこそ,重要なことである。そこで本...研究は,高校生男子の体型を明らかにし,サイズの検討と新サイズ提案を目的とした。さらに上肢運動に伴う対幹部体表面の変化を明らかにし,これを基礎資料として詰襟学生服の設計及び素材検討後,詰襟学生服を試作し更にその評価を行い,新詰襟学生服の提案を目的とした。本論文は9 章より構成されている。
第1 章では,本研究の背景に言及し,学生服着用の歴史について述べ,学生服着用の問題点及び着用時の快適性条件を明らかにし,検討の必要性を述べた。
第2 章では,意識調査を行い,着用時の快適意識及びサイズ意識について明らかにした。着用時の窮屈感,着脱性,活動性に関しての不満が強く,サイズに関しては,メーカー側のサイズ設定方法及び消費者側の成長を見越したサイズの購入方法に問題があることが示唆され,これらの検討が必要であることを述べた。
第3 章では,サイズ検討に必要な高校生の形態的特徴を明らかにすることを目的とした。1981 年と1994 年の体型比較において有意な差が認められ,定期的な全国規模の身体計測の必要性とこれに伴う衣服サイズの見直しが必要であることが示唆された。又男子は15 歳を境に体型が変化しており高校生は体重を含んだ胸囲,胴囲等で有意な差が認められた。18 歳までを少年用衣料サイズとして一つのサイズ規格が作られているが,高校生ではサイズ規格を変える必要があることが示唆された。
第4 章では,高校生男子生徒の制服サイズ規格の検討を行い,学生服の適合度を高めるサイズ提案と適切な見込み購入方法の提案を目的とした。高校生は3 年間での身長の伸びは約93%の人が5cm 以内,胸囲では約88%の人が4cm 以内の成長量であった。そこで新サイズの提案を行い,その適合率では約96%の人のカバーが可能となった。また成長を見越した見込み購入方法の提案を明らかにしたが,その結果約92%の適合率を得ることが出来た。
第5 章では,上肢運動に伴う体幹部体表面の変化を検討し,詰襟学生服設計の基礎資料とすることを目的とした。この体表面の伸展収縮の大きい部位は,肩部,後ろ腋点部,後ろ腰部であることを明らかとした。これらを基礎資料とし,肩パッドの変更,肩部へ形状記憶合金ワイヤー利用,パターン変更等新型詰襟学生服の提案について述べた。
第6 章では,筋電図と主観申告から新型詰襟学生服を評価することを目的とし,下記の結果を述べた。肩部の改良では,僧帽筋及び三角筋中部で筋負担の軽減が示唆され,主観申告では窮屈さ及び腕の動かしやすさにおいて,新型詰襟学生服が有意であり,改良結果は有効であった。しかし微妙なパターン変更においては,僧帽筋と三角筋前部において筋負担の軽減は明らかとなったが,主観申告では有意な差は見られなかった。
第7 章では,詰襟学生服にストレッチ素材使用を提案し,適切なストレッチ度の割合を検討することを目的とした。衣服圧,主観評価,伸長回復率,基本物性の検討結果,16%ストレッチ素材が詰襟学生服の素材として適切であることが示唆された。
第8 章では,ストレッチ学生服の評価を第6 章と同様に行い下記の結果を述べた。16%横伸びストレッチ素材の詰襟学生服では,主観申告においては有意な差は見られなかった。しかし上肢の運動が困難と思われる135 度での三角筋中部の筋負担は,カッターシャツのレベルまで軽減されていることが示唆された。
第9 章では,本研究の総括を行った。詰襟学生服の問題点を明らかにし,快適な詰襟学生服の提案とその評価を目的とした。その結果,サイズに関しては高校生の形態的特徴の検討から少年用衣料サイズには適合していないことを示唆し,新サイズと購入サイズの提案とその有効性と意義について述べた。又体幹部体表面積の変化を基礎資料として肩部の改良,パターン改良及び素材改良(現在学生服で使用されていない16%ストレッチ素材使用)した詰襟学生服の提案を行った。改良段階毎に筋電図と主観申告での評価を行った結果から,提案した新型ストレッチ学生服の有効性と意義について述べた。
最後に今後の問題点と展望を述べて結論とした。
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Table of Contents 目次
第Ⅰ章 序論
第Ⅱ章 高校生詰襟学生服の快適性及びサイズに関する意識調査
第Ⅲ章 高校生男子の形態的特徴
第Ⅳ章 高校生男子の成長量と販売・購入を考慮した制服サイズの提案
第Ⅴ章 上肢運動に伴う体幹部体表面積の変化
第Ⅵ章 提案詰襟学生服の生理的・心理的評価
第Ⅶ章 詰襟学生服素材としてのストレッチ度の割合の検討第Ⅶ章 詰襟学生服素材としてのストレッチ度の割合の検討
第Ⅷ章 ストレッチ詰襟学生服の生理的・心理的評価
第Ⅸ章 総括
引用文献
謝辞
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pdf k055-001 pdf 33.9 KB 308 表紙
pdf k055-002 pdf 283 KB 345 目次
pdf k055-003 pdf 1.08 MB 615 第1章
pdf k055-004 pdf 1.08 MB 399 第2章
pdf k055-005 pdf 1.50 MB 370 第3章
pdf k055-006 pdf 4.12 MB 409 第4章
pdf k055-007 pdf 8.16 MB 345 第5章
pdf k055-008 pdf 2.17 MB 276 第6章
pdf k055-009 pdf 6.97 MB 322 第7章
pdf k055-010 pdf 1.21 MB 261 第8章
pdf k055-011 pdf 554 KB 229 第9章
pdf k055-012 pdf 366 KB 264 引用文献
pdf k055-013 pdf 129 KB 195 謝辞

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Created Date 2014.01.24
Modified Date 2020.10.06

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