<博士論文>
韓国社会の農村高齢者住居に関する基礎的研究 : 高齢者世帯構成の経年変化及び農村高齢者居住実態と改善の指針

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概要  韓国社会が高齢化することによって、高齢者に対する社会的なサービス提供の次元から居住空間に対する政策的な配慮も要求されている。適切な居住空間の提供のためには、既往研究による高齢者居住問題を俯瞰しつつ、韓国社会の高齢者の居住形態を分析する必要がある。(以上第1章)  人口住宅総調査を通じて、居住行態と関連した動向を分析した結果、韓国社会での既婚子女との同居世帯は減少する傾向にあり、高齢者のみ世帯が...急増中にあることがわかり、その増加の速度は日本、米国などの高齢化を先に経験した社会より速いことがわかった。また、全般的に高齢化の進展に伴い、高齢者のみ世帯が増加する世界的な趨勢に中で、韓国は米国と日本とは違って、都市地域よりは農村地域での高齢者のみ世帯の比率が非常に高い特性がある。勿論韓国でも地域によって人口動向が若干の偏差と多様性を見せてはいるが、経年変化を調べてみると、農村地域の高齢者のみ世帯が増加する傾向を一貫して支持する結果を示している。  このような事実は、韓国社会が高齢者のための住居対策を急ぐ必要性と同時に、都市地域より農村地域で高齢者住居がもっと切実に要望されていることを示している。また、地域の特性に適切に対応する必要性も示唆している。(以上第2章)  このように農村高齢者住居を提供する政策を立てるには、何よりも既存の農村住居に関する研究及び政策に対する批判的な検討と、現在の農村住居の状況に関する正確な認識が優先的に要求される。その脈絡で本研究では、韓国の在来農家及び改良型農家が高齢者住居として、どのような適合性と不適合性を持っているのかを調べてみた。  定性的・定量的調査を通じた分析の結果、高齢者の心理的及び生活様式上の特性を考慮しないまま、欧米の住居を基準にして、在来農家の不便さを一括的に改善しようとした既存の試みは、事実上では多くの問題を生じていることがわかり、改善の対象としてだけにみなしていた在来農家がむしろ高齢者住居としての優れた特性を持っていることが確認された。  その特性の要点は、内外連結性と言うことができる。心理的に孤立感を感じやすく、行動が不自由になる老年期に、ケアしてくれる人なしで、独自的に生活する場合は、視覚的・聴覚的・行動的に外部と交流しやすく、観察したり観察されたりすることが容易であるという特性、すなわち、内外連結性が重要になってくる。内外連結性の構成は、開放性のある中心居住空間、緩衝空間、漸次的境界の三つの下位性能と、この下位性能を発現させる10個の要素にまとめられた。  調査を通じて、韓国の在来農家は、多様な側面でこのような内外連結性が優れていることが確認でき、農村に居住している高齢者もやはり意識的・無意識的にこれを在来農家の長所としてみなしていることがわかった。  そして、韓国の在来農家の内外連結性が高齢者住居として適合した性能であることに関して、理論的な背景を構築する必要から、文献調査研究をした。その結果、内外連結性を構成している性能を、高齢者住居の持つべき支援性としてみた研究らが把握でき、これらの研究を総合して内外連結性の重要性に関してまとめた。  このような結果は、この研究の出発で提起した仮説全体を支持している。すなわち、‘韓国社会において、高齢化は急速度で進行してきたが、今後もそうであると推測できる。高齢化現象及びそれが住居と関連している世帯構成に現れる様子には、多様な社会に共通する一般的な特性とともに、各社会ごとの特殊性がある。韓国社会で住居問題と関連した高齢化様相は、高齢者のみ世帯の増加という一般的な趨勢とともにその現象が都市地域より農村地域でもっと強いという特殊性をもって現れる。したがって、高齢者住居対策を立てる際に農村地域に大きな比重を置く必要がある。韓国の農村の伝統的住居と農村の伝統的住居の改良型農家は、農村の高齢者住居として理想的な潜在力をもっている。’と言う点に要約できる。  このような点は、韓国社会の高齢化の進展に伴った農村地域での高齢者のみ世帯の急増する理由をある程度説明することと同時に、今後の農村の高齢者のための住居対策においても考慮すべきこととして意味が大きいと思われる。(以上第3章)  したがって、本研究で得られた知見によれば、急増する農村の高齢者のみ世帯のための住居対策を立てる際に、在来農家の長所を生かし、短所を補完するための更に多くの研究が必要であり、高齢者住居の供給対策を立てて実行する際には既存の住居形態をよく生かしなければならない。そうすることによって、高齢化社会の重要な対策の一つの高齢者住居供給対策に万全を期して、多くの社会的な浪費を減らすと同時に居住者の満足できる住居の供給が期待できる。(以上第4章)続きを見る
目次 目次 1.緒論 2.高齢者世帯構成の経年変化 3.韓国の農村高齢者の住居実態と改善の指針 4.結論 謝辞 参考文献 付録:アンケート調査表 農村の高齢者住宅に関する調査 用語定義

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pdf o009-06 pdf 37.3 KB 113 謝辞
pdf o009-07 pdf 410 KB 215 参考文献
pdf o009-08 pdf 232 KB 200 付録
pdf o009-09 pdf 249 KB 180 用語定義

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登録日 2009.08.13
更新日 2020.10.06

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