<紀要論文>
Francis Hutcheson's Utilitarianism and Political Theory: Succession and Change from Locke
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概要 | 従来、ハチスンは、ロックの認識論・所有権論・社会契約論を継承したが、功利主義的立場に立つため、公共善による所有権侵害に歯止めがなく専制的とされる。本稿は、ハチスンが、非所有者を含まない自律的所有者による国家形成というロックの論理を破棄し、非所有者をそのまま所有主体でありかつ国家構成員として認めたために、ロックの自律的自由論による合意形式(自己決定という形式論理)ではなく、公共善認識に基づく主体的な...合意形式へ転換せざるを得なくなったこと、および諸権利の調整原理として功利主義を入れたことを明らかにし、そこからハチスンの政治論の特質を読み解いた。最大多数の最大幸福とは、ハチスンにおいて、哲学的思考によって超越的に付与されるロック的な自律的所有者による社会形成論に代わって、異なる階級的利害を持つ国民が内面的な合意を国家に与える論理であった。ハチスンの服従の論理は、自己決定という社会契約論の形式的合意ではなく、権力の正しさへの内面的な合意であったため、ハチスンの国家は、ロック以上に、実質的な点ではるかに踏み込んで、権力に対する民主的な統制の論理を持っていた。しかしながら彼が国家の担い手とする働く民衆の認識は、社会全体のデザインに対して容易に到達しない。すなわち公共善認識への到達は困難であった。それゆえハチスンは、権力を安定化させるために伝統的な政治力学へと大きく踏み込んでいったのである。続きを見る |
目次 | 1. Introduction 2. Self-governing individuals and social contract 3. Property 4. Utilitarian moral theory 5. Social contract and political authority ruling people 6. Conclusion |
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登録日 | 2020.04.08 |
更新日 | 2024.12.16 |