<紀要論文>
ゲルマン語繋辞の歴史的発達に関する非ブルークマン的アプローチ : 補充法をいかに説明するか

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概要 ゲルマン語における繋辞(copula)のシステムには、他の印欧語の語派には見られない特徴がある。直接法において、現在時制では*es-という語根が用いられるのに対して退去時制では*wes-という語根が用いられるという補充法(suppletion)が見られるのが、その特徴である。ゲルマン語諸方言においてなぜこのような補充法が見られるのかという問題に対し、従来の印欧語/ゲルマン語比較言語学研究では十分な...説明がなされていない。本稿の目的は、そのような補充法が歴史的にどのように形成されるに至ったものかという問題について、説明を与えることをこころみることである。本稿では印欧祖語の再建モデルとして、近年のいわゆる「非ブルークマン的」なモデルのうち、Lehmann(1993)やKurzová(1993)が授業した仮説を採用する。その枠組みの元で、*es-および*wes-という語根から派生した動詞が印欧語祖語でどのような特徴があったかを考察し、その観点からゲルマン語の繋辞のシステムが発展して行ったプロセスを明らかにしようとするものである。 N.B.本稿は1997年8月10日より16日までHeinrich Heine Universität,Düsseldorfにて開催された第13回国際歴史言語学会(13th International Conference on Historical Linguistics)において口頭発表した原稿に加筆、訂正を加えたものである。この発表の時点では Kenneth Shields Jr., “On the Origin of Dialectal Ablaut Patterns of the Present Active Indicative of IE”*es-‘To Be’“,Historische Sprachforschung 110/2(1997)を目にすることができず、 その論考によって指摘されている、印欧話語において*es-による繋辞が通常のアプラウトのパターンに従っていないという特徴について、本稿では十分な考察が行われていない。この点に関する考察は、今後の課題としたいと思う。続きを見る

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登録日 2009.04.22
更新日 2023.11.01

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