<紀要論文>
九州地区住民の最大酸素摂取量および運動負荷不適者・中止者の出現率

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概要 As a basic investigation of studies on optimal conditions for successful living in modern society or in future ages, health surveys were carried out on 481 males and 592 females aged 2082 years old, l...iving in urvan, suburvan and rural districts of Kyushu. The perposes of this paper were reported to the actural circumstances of maximal aerobic power, appearance rate of prohibited and stopped subjects for the exercise test. The results obtained were as follows: (1) Seventeen males (9.2%) and 26 females (11.8%) subjects were prohibited to the exercise test based on resting EKG, high blood pressure et ct , The main reason was EKG abnormalty and high blood pressure. (2) Eleven males (6.6%) and 24 females (12.3%) subjects were stopped to the exercise test. The main reason was ST segment changes for males and pain or fatigue of thigh based on lack of muscular strength for females. (3) Maximal aerobic power (MAP) was estimated for 387 males and 436 females, aged 20 78 years old. For males, the mean MAP in ml/kg ・ min were 39.6±5.71 for 20-29 years, 36.9±4.92 for 30-39 years, 35.7±5.01 for 40-49 years, 33.5±5.05 for 50-59 years, 30.2±5.99 for 60-69 years and 26.7±5.59 for 70 years old over. For females, the mean values were 35.3±5.73, 32.7±6. 62, 30.7±3.84, 29.9±4.58, 24.6±4.93 and 18.4±1.60, respectively. The regression equations for MAP (Y) to age (x) were Y=46.1-.248X for male, Y=41 .5-.224X for female, respectively. (4) Maximal aerobic power of male living in Kyusyu were lower level, as well as another Japanese groups and the other industrial country subjects. But for female, it was no said that their maximal aerobic power is lower. (Journal of Health Science, Kyushu University, 10: 23-32, 1988)
今日的な健康問題を根本的に解決するためには,まず実態の把握が必要であろうと考えられる。そのために,地域住民を対象とした健康度調査において,最大酸素摂取量を測定してきた。小論では,昭和54〜60年度までに,九州の都市とその近郊地区,さらに農・山・漁村の地域住民(20〜82歳,男481名,女592名)について,運動不適者の出現率,運動負荷中の心電図異常などによる運動負荷中止者の出現率,および最大酸素摂取量について検討した。要約すると,以下のとおりである。1)安静時の心電図所見や高血圧などから,運動負荷が不適と判定された者は,昭和58年〜60年度の3年間に男性17名(9.2%),女性26名(11.8%)であった。安静時のヘルスチェックなどから運動負荷さえ禁止される者が,地域住民のなかに少なくとも20・30歳代では数%,40・50歳代では10〜15%前後,60歳以上の年齢者では15〜20%以上,女性ではさらに高率に存在すると推測された。2)昭和58年〜60年度の3年間に,条件付きの者が含まれていたとはいえ,運動負荷が認められた男性167名中7名(4.2%),女性195名中4名(2.1%)が,ST低下などの心電図異常のために運動負荷を中止した。そしてそれは,男性では運動負荷中止の理由の63.6%にも及んでいた。このことから,運動負荷中に心電図等を監視することが,改めて重要であると考えられた。3)最大酸素摂取量は,男性387名(20〜78歳),女性436名(20〜72歳)から得られた。最大酸素摂取量(Y)と年齢(X)との間に,男性ではY=46.1-.248X(r=-.538),女性ではY=41.5-.224 X(r=-.509)という一次回帰式が得られた。4)九州地区住民の最大酸素摂取量は,男性では他のわが国の地域住民とほぼ同じで,他の工業先進国住民とともに,低い水準にあり,低体力化が伺われた。一方,女性では、他のわが同の地域住民よりやや高く,レクリェーション的に運動しているグループと大差がなかった。そして,女性の場合,必ずしも日常生活における身体活動最が低下している,あるいは低体力化しているとはいい切れなかった。小論は,健康科学センターの全員によって行なわれた研究を著者がまとめたものである。
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登録日 2009.09.10
更新日 2022.05.19

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