<紀要論文>
体心立方格子金属における加工硬化

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概要  体心立方格子金属におけるすべりおよび加工硬化の基本的特性を明らかにする目的で,高純度鉄単結晶につき応カー歪曲線の測定を行ない,これらおよびすべり線の特性に関する種々の実験事実を綜合して転位論的立場よりし統一的な説明を試みた.
 加工硬化の特性は面心立方格子金属に比較して,まづ変形初期における容易すべり領域はきわめて狭く,急速な加工硬化およびそれに引続く急速な加工軟化の特性が特長的である.加工軟化領...域における流動応力の温度および変形速度依存性はきわめて大であり,活性化工ネルギーは 0.25eV程度である.
 応カー歪曲線に関するこれらの特性および顕微鏡的観察によるすべり線の特性はまた,体心立方格子金属における転位の特性,とくに転位のラセン成分が交叉すべりを起し易い特性より統一的に説明し得ることが示された.
 なおこれらの実験においては 0.1%程度の前歴歪により,その後の変形に対する微量炭素の影響は著しく減少することが示され,これに基づいて純鉄の特性が推論された.またこれらの結果より鉄における Peierls 力は 90°Kにおいても 1kg/mm²程度を越えないことが示された.
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目次 1. 序論
2. 試料の調製および実験方法
3. 実験結果
4. 考察
結語

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登録日 2022.01.18
更新日 2023.03.04

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