<紀要論文>
安全運転の規準測度としての人-車系の挙動とその管理システムの研究
作成者 | |
---|---|
本文言語 | |
出版者 | |
発行日 | |
収録物名 | |
巻 | |
開始ページ | |
終了ページ | |
出版タイプ | |
アクセス権 | |
JaLC DOI | |
概要 | 交通災害に関する心理学的な研究を,運転手についてのいわゆる臨床的な検査から,フィールドにおける人-車系の挙動の観察へと移行させることによって,すなわち従来のような災害傾向者ではなく災害傾向車を問題とすることによって新しい展望が開かれる.このことは運転手を無視することを意味しない.運転手を評価する新しいアプローチである.人-車系の基本的な挙動をキロ当りの急加速,急減速,急旋回の度数によって評価するた...めに,Gメーターと記録計を使用した.急動作の闘値(0.27G)を決定するために,1975年12月から主としてタクシー運転手を用いて数回の予備実験を行なった.1978年11月から’79年9月にわたる10ヵ月間の,40名のタクシー運転手の毎回の運転のデータから,次のような事実が明らかになった.人-車系の挙動についてのわれわれの指標によって 1) 運転手の運転振りを,乱暴からスムーズにわたるスケール上に客観的に評価することができる. 2) スケール上における各運転手の水準は,データが得られた10ヵ月間において比較的に恒常である. 3) それぞれの人-車系(また従って運転手)の挙動には,急加速型,急減速型,急旋回型,という固有の不安全挙動のパターンが存在する. 4) このような不安全な挙動の水準やパターンは,1日の走行データからもおよそ推測することができる. 5) その水準には,長短さまざまな期間にわたる変化が存在し,中には顕著に周期性を示す者もいる. このような事実は,われわれの指標をNormativeにもIpsativeにも処理することを可能にするものである.このような指標はこの分野の多くの研究者が,その必要性を説きながら入手できなかったものである.この指標と年齢,勤務年数,1日当りの走行キロ数,運賃収入との間には一義的な関係は存在しない.また現在までのところ,報告され記録された違反・災害の間に明確な関係を述べることはできないが,このことは災害が稀現象で,かつ多分に偶然的な要素を含むので,このような小数のサンプルと1年間といった短期間では止むを得ないことである.より洗練された災害規準を用い,われわれの指標と関連づける研究が,300台の実験タクシーを用いて,79年11月にスタートした.またこの指標をタコグラフに記録して運転疲労を研究するための予備研究がなされた.続きを見る |
目次 | 1-0 序論 1-1 研究の目的 1-2 測定装置 1-3 実験車輌と測定条件 1-4-1 予備実験Ⅰ 1-4-2 予備実験Ⅱ(センサー・モデルⅡ) 1-4-3 予備実験Ⅲ,モデルⅡでの閾値の決定 2-1 センサー・モデルⅡ(感度0.27G)での本実験 2-2 合計得点の水準の周期的な変化 2-3 各運転手の年令その他のデータ 2-4 各運転手の災害,違反の記録 3-1 急動作のタコグラフへの記録続きを見る |
詳細
PISSN | |
---|---|
NCID | |
レコードID | |
登録日 | 2019.07.19 |
更新日 | 2020.09.28 |