<紀要論文>
「誇るべき」自文化の構築 : 小倉祇園太鼓における観光戦略と負の排除
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概要 | 本稿では、福岡県北九州市小倉北区でおこなわれる「小倉祇園太鼓」における、負の排除と観光化という側面に注目し、中核的参加者の側からみた文化動態ついて取り上げる。この事例は、地元側からの「伝統文化」の創造と観光資源としての利用ということもできる。この祭りは、かつて小倉城を中心とする城下町の内部の町内によって行なわれていたが、1970年代に入ると、「振興」の側面が強く押し出されていく。1980年代後半か...ら、新しい参加者層による創作太鼓が評価され、祭り全体の牽引役としてさかんに取り上げられていく。従来の担い手である町内は、民俗芸能が観光資源として評価されるという時代の潮流をうまく捉え、地域の祭礼を全国市場に出す際に、映画「無法松の一生」にちなむ創作太鼓を利用したのである。その一方で、警察による管理が厳しくなり、暴力性をことごとく排除し始める。国家権力の介入に屈したかのように映るこの動きを、地域は逆手にとって、祭りのみならず小倉全体のプラスイメージにつながるものだけを創りあげていく。それは、「伝統文化」を守ることにつながると同時に、「誇るべき」自文化の再構築につながっているのである。続きを見る |
目次 | はじめに 1. 事例の背景 2. 地縁から知縁ヘ 3. 観光路線とイメージづくり : 見せる祭りヘ 4. 管理される祭り 5. むすびにかえて : 自文化構築としての祭り |
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登録日 | 2019.07.03 |
更新日 | 2021.03.18 |