<紀要論文>
平面上に配置された局所的交流をするエージェントの状態により形成されるクラスタの変動分析

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概要 平面上に配置されたエージェントが, 周囲のエージェントとの情報だけを用いて行動を決定する(局所的交流と呼ぶ)場合には, 全域と交流する場合とは異なる特性が見られることが示されている。その中でも最も特徴的なものは, エージェントの状態を1と0に離散化した場合に, 1あるいは0の領域が分離され, クラスタが形成されることであり, インターネットコミュニティにおけるメンバーの集積・離散の現象の説明や, ...雇用・失業の地理的な発生(影響の拡大に対応しスピルオーバー効果と呼ばれる)などのモデルとして用いられている。これらの分析方法は一般的なスピルオーバー効果の分析にも応用できる可能性がある。しかしながらこの場合に, エージェント状態が安定的であるかどうかを分析したものは少なく, ノイズが含まれる場合の性質や, クラスタの外周部の不安定分析, および外部入力による変動の進行分析が示されるにとどまっている。局所的交流により形成されるクラスタの変動を議論することは, 状況を変化させることが可能であるかどうかを判断する材料にもなるため重要であるといえよう。本論文では, 平面上に配置された局所的交流をするエージェントの状態により形成されるクラスタの変動分析について述べる。本論文では2つのモデルを用いることとし, まずModel Sにおいては, 平面上に配置されたエージェントが商品(産出物とも呼ぶ)を生産し, 複数の状態により表現されると仮定する。この状態の中で, 第1番目の状態は, 産出物を生産するかどうかを1か0かの離散値で示し, 第2番目以降はこのエージェントの行動に関連する状態を表すと仮定する。格子点のエージェントは次の時刻における状態をどのように遷移させるかを, 周囲のエージェントの状態を参照して決定するモデルを導入する。しかしながらこのモデルは, エージェントの状態のクラスタ形成がなされることを説明するには分かりやすいが, さらにやや現実に近い設定を用いたModel Pを導入する。このModel Pにおいては, それぞれの格子点に企業エージェントと労働エージェントが存在し, 労働エージェントだけが隣接する格子点に移動可能とする。このような局所的交流をするエージェントからなる2つのモデルにおいて, いずれのモデルにおいても時間の経過とともにエージェントの状態においてクラスタが形成され均衡状態にいたることが示される。しかしながら, 一方ではある状態をランダムなものに戻したり, パラメーターをランダムに変化させることにより, クラスタの形状が変動することが確認できる。応用例においては, シュミレーションをもとにして, このような条件をまとめるとともに, 現実のデータについての考察を行う。以下2.および3.では, 局所的交流をするエージェントの2つのモデルの基本について述べる。4.では応用例としてモデルにおけるクラスタ形成の過程とその変動を与える変数のランダム性やパラメータとの関係をまとめ, 現実のデータへの適用について考察する。続きを見る

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登録日 2012.02.02
更新日 2022.02.10

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