<学術雑誌論文>
軟骨形成における細胞間相互作用

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概要 哺乳動物の骨形成では,膜性骨形成と内軟骨性骨形成の二様式が区別される.前者では,間充織内の未分化細胞が骨芽細胞に分化して骨が作られる.動物が陸生生活に適応する過程で生じた内軟骨性骨形成よりは進化的に古くから認められ,ヒトでは頭蓋骨のような体表面にある平板骨がこのようにして作られる.これに対して,四肢骨や椎体などは内軟骨性骨形成によって作られる.即ち,骨形成に先立ってまず軟骨が骨の形に作られ,胎生後...期に至ってその内部から骨組織に置換される.成体では関節表面を薄く覆うだけの軟骨組織は,このように骨形成の中間組織としての重要性のために古くから興味をもたれてきた.しかし,骨や軟骨のような硬組織は組織抽出が困難で生化学的解析に適していないから,骨形成機構は主に解剖学的な観察に基づいて考察されてきた.それでも,1970年代に入って,組織細胞をその機能を維持した状態で分離培養することが可能になってくると,組織形成を生きた細胞のレベルで解析することが行われるようになった.はじめは,ニワトリ胚由来の軟骨細胞が発生学者の間で用いられたが,やがて哺乳動物由来の軟骨細胞が培養されるようになると基礎医学の分野でも大いに関心が持たれるようになった.ラット肋軟骨から細胞を分離培養した後,ミリポアフィルターを張ったdiffusionchamber(細胞成分を通さないが,液性成分は通る)内に封入してラット腹腔内に移植すると,細胞は旺盛に増殖して軟骨組織を作る.次に,軟骨形成の後にフィルターに穴が空いて宿主側から細胞が侵入するか,あらかじめ骨髄細胞を同時に封入するかすると,chamber内に骨髄形成を伴った骨ができる.1975年に報告されたこの実験は,内軟骨性骨形成を細胞機能のレベルで示した点で画期的であった.本稿では,このような鈴木不二男研究室(大阪大学歯学部生化学教室)の成果をもとに,自分史的な軟骨研究の紹介を試みたい.続きを見る

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登録日 2012.06.04
更新日 2021.07.28

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