<紀要論文>
近衞前久が継承した鷹の言説 : 『鷹百首』と『皇鷹記』の引用書目の検討を通して

作成者
本文言語
出版者
発行日
収録物名
開始ページ
終了ページ
出版タイプ
アクセス権
JaLC DOI
概要 本稿は、鷹狩りが盛んに行われ、多くの鷹書が編纂・書写された戦国時代から江戸初期にかけて、鷹狩り文化の中心にいた近衞前久の鷹書『鷹百首』と『皇鷹記』の引用書目の検討を通じて、前久が継承した鷹書を明らかにし、室町時代後期から江戸初期にいたる鷹の言説を探ったものである。豊臣秀吉・徳川家康のために書写された『鷹百首』にたびたび引用される書が、『諸木抄』である。これは鷹書ではなく、細川高国による武家故実書で...ありながら、「当流」の説とされるほど重んじられている。対して、『皇鷹記』には、『持明院宰相殿旧記』が引用されている。『持明院宰相殿旧記』は「鷹の家」である西園寺家の言説を継承したものである。前久は武家故実の鷹の言説、公家の「鷹の家」の鷹の言説を継承し、武家を享受者とした『鷹百首』、天皇の鷹狩りを伝える書『皇鷹記』の典拠として使い分けていたのである。
In this thesis, we consider the titles of books quoted “Takahyakushu’ and “Koyoki' written by Konoe Sakihisa, who had authority of the culture of falconry from Sengoku era to the beginning of Edo era, during these eras falconry was very popular and a lot of Takasho were written. We also characterize the Takasho inherited by Sakihisa and explore the discourse of falconry from the latter period of Muromachi era to the beginning of Edo era. The book often quoted in “Takahyakushu,” which was written for Toyotomi Hideyoshi and Tokugawa Ieyasu, is “Shobokusho.” This is not a Takasho, but a Bukekojitsusho by Hosokawa Takakuni, and is very important as the main stream of that period. On the other hand, “Jimyoinsaishodonokyuki” is quoted in “Koyoki.” “Jimyoinsaishodonokyuki” is the book inheriting the discourse of Saionji-ke whose family business is falconry.
続きを見る
目次 一 戦国時代の鷹狩り・鷹書と近衞前久
ニ 『鷹百首』における『諸木抄』引用
三 「[蒼鷹記鷹詞]」と『持明院宰相殿旧記』『皇鷹記』
四 近衞前久と二つの言説

本文ファイル

pdf p116 pdf 1.08 MB 1,298  

詳細

PISSN
NCID
レコードID
地域
主題
タイプ
時代・年代
登録日 2018.05.09
更新日 2021.03.18

この資料を見た人はこんな資料も見ています