<学術雑誌論文>
油症の眼所見

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概要 油症発症初期の疫学的調査で,油症の眼所見は結膜からの眼脂の増加,上眼瞼浮腫,視力障害,眼痛であることが示された.汚染食物多量摂取から一年後の眼症状にはマイボーム腺分泌過多,球結膜,結膜輪部,眼瞼結膜の異常色素沈着,眼瞼浮腫がある.これらの眼症状は患者血液中のPCB濃度,PCBのガスクロマトグラフィーパターンに強く関連していることが示されている.米ぬか油の加熱媒体として用いられたPCBが当初油症の原...因物質と考えられていたが,その後ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs:ダイオキシン関連物質で,PCBの熱による崩壊産物)の健康への関与が疑われるようになった.更なる研究の結果,油症発症の最も重要な原因物質はPCBではなくPCDFであることが示された.油症発症当初は非常に顕著だった眼症状は近年沈静化しつつあるものの,いまだに多数の患者が眼症状,特に異常な眼脂に悩まされている.近年の,ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDDs),PCDFsといったダイオキシン類の測定法の進歩により,油症患者の検診時に得られる少量の血液検体からPCDFやその関連物質の測定が可能になった.そこで2001年次の油症検診時より,血液中PCDF関連物質の濃度測定が開始された.油症患者の摂取した米ぬか油から約40種のPCDF関連物質が同定されている.油症患者や,油症発症11年後に起きた油症類似の事件の被害者であるYu-Cheng患者体内に残存するそれらのPCDF関連物質のうち2,3,4,7,8-五塩化ジベンゾフラン(PeCDF)が大半を占めていることが知られている.動物を用いた研究ではPCDF投与で重度の胸腺萎縮や肝増生が見られた.今回,我々は油症患者における血中PCDF濃度と現在の眼症状との関連について検討した.続きを見る

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登録日 2012.06.04
更新日 2021.07.28

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