<学術雑誌論文>
3病院統合1周年を迎えて : 変わりませんか!変えてみませんか!新しい九州大学病院を目指して!

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概要 医学部付属病院,歯学部付属病院,生体防御医学研究所付属病院は昨年10月に統合し,正式名称は,九州大学医学部・歯学部・生体防御医学研究所附属病院という長い名前になりましたが,九州大学病院の呼称を用いることが公式に認められましたので,現在は公文書においても九州大学病院で通しております.3病院統合により,旧医学部附属病院は九州大学病院の医科部門に,旧歯学部附属病院は歯科医療センターに,別府の生体防御医学...研究所附属病院は別府先進医療センターとして,九州大学病院の一部となりました.この3病院の統合は,4月に予定されていた国立大学法人化に向けて組織改革,経営改善を進め,患者さん本位の全人的医療と高度先進医療を行うことを大きな目的とし,患者さんの病気を医科・歯科という人為的な区分で分けるのではなく,統合病院で患者さんのすべての病気を治療できるものとすることにありました.しかし,実際の診療につきましては,他県にあります別府先進医療センターはいうまでもなく,ご存じのように,九州大学病院は新病院の建設中ですので(平成14年度に外科系を中心とする第1期の南棟が竣工し,現在内科系を中心とする第2期棟の北棟の建設を進めており,平成17年10月には竣工する予定です.さらに外来を中心とする第3期棟の建設を計画しております),3病院統合の成果が名実ともに生まれてくるのは,医科と歯科が同じ建物で診療を行う第2期棟竣工からと考えており,現在は移行期として,それぞれが独自の管理運営を維持しながら,管理運営方針の審議や,経営の改善,患者サービス,医療安全管理等について統合体として推進しています.2期棟の竣工により,全診療科・診療施設の今後の恒常的な病棟が完成しますので,この時期に向けての検討を現在精力的に進めているところです.4月に私が病院長に就任してから7ヶ月余が経過しましたが,この間は5人の副院長・事務部長,薬剤部長,看護部長,診療支援部長および5人の事務部の課長などからなる執行部会議を中心に国立大学法人九州大学の中に大学病院を位置づけることに大きな力を注がざるを得ませんでした.ご存知のとおり,国立大学法人化とは大学の裁量の範囲を拡大することで,各大学の個性化を進めることを一つの目的としています.大学の裁量の余地が広がりましたので,大学自身が自らの管理運営体制を定めていく必要がありますが,病院は教育研究を中心とする他の部局とは異なる,文字どおりの事業体ですので,この事業体の人事制度や財務を大学法人制度の中に位置づける作業を現在も続けているところです.もちろん,法人化になってもかねてから国立大学病院に課せられた「教育」「研究」「診療」の基本3使命については,何ら変わることはありません.むしろ法人化後は,高い機能を誇る国立大学病院に自由な裁量権とすぐに行動できる機動力が与えられたはずですから,これらのメリットを最大限に活用し,患者さんや地域が望む質の高い医療の提供と,医療従事者の育成,さらに我が国の医学の発展と医療技術の向上に貢献できると思います.したがって,私は九州大学病院を取り巻く環境が大きく変わろうとしているこの改革の波を,恐れることなく,逃げることなく,むしろ好機と捉えて法人化においても,医療制度改革においても,求められているマネージメント改革に積極的に取り組んでいくべきであると思います.私の目指す九州大学病院は,患者さんやそのご家族のみならず私たち医療を提供する側の医療人も満足する医療を提供することです.これは単に専門性の高い高度先進医療の提供によって病気が良くなるというだけではありません.どんなに頑張っても現在の医療では治らない病気もあります.そのような結果になりましても,患者さんやそのご家族の方々が九州大学病院で治療を受けたことの診療のプロセスを納得し,満足してその結果を受け入れてもらえるような医療を提供したいと思います.同時に,私たち医療人も現在できうることすべてをつくしたと自分で納得できる後悔しない医療を提供することです.この理念に基づいて九州大学病院は九州及び世界のリーダーとして,高度先端医療の推進をコアに据えながら,教育,研究,診療を三位一体として追考することが目標です.続きを見る

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登録日 2012.06.04
更新日 2021.07.28

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