<学術雑誌論文>
色素異常症の分子機構

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概要 皮膚の色調はメラノサイトが産生するメラニンの量,分布によって左右される.ヒトではメラノサイトは胎生期に神経堤より分化し,皮膚の基底層及び毛包に分布する.基底層に分布したメラノサイトはチロシナーゼなどの酵素によってメラノームのなかでメラニンを合成し,メラノソームを周りのケラチノサイトに分配する.メラノサイトが神経堤から分化,遊走するが,その過程で障害がある場合,またチロシナーゼなどの酵素の障害,メラ...ノソームの機能障害などでメラニン,メラノソームの合成,機能が阻害されると白皮症を呈する.また,メラノソームがケラチノサイトにうまく渡されないと,色素減少を生じる.正常にメラノサイトが機能していても,ある時自己免疫か何かの機序でメラノサイトが障害を受けると白斑を呈する.正常なメラノサイトも,老化とともにその機能は低下する.また,メラノサイトが日光などの様々な刺激を受けるとメラノサイトが活性化され,メラニン合成が亢進し色素の増強をもたらす.炎症がメラノサイト,ケラチノサイトに生じ,メラニンの真皮への滴下が起こると,炎症後の色素沈着を来す.このように,多くの色素異常症はメラノサイトに生じた直接または間接的な様々な変化により生じるが,その原因に関してはマウスの毛色に関する遺伝子座の研究を基盤として,原因遺伝子の同定,解析がすすみ,全身性白皮症におけるチロシナーゼ遺伝子などの異常のほかに,限局性白皮症,Waardenburg症候群,Hermansky-Pudlak症候群の遺伝子異常が明らかになってきている.今回,色素異常を呈する疾患で原因遺伝子が同定されている先天性疾患を紹介し,現在明らかになっている色素異常の分子機構をお示ししたい.続きを見る

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登録日 2012.06.04
更新日 2021.07.28

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