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概要 |
本稿は,現代朝鮮語における〈n挿入〉の形態論的条件について論ずるものである。多くの先行研究では,〈n挿入〉が起きるための形態論的条件として「後行要素が自立形態素であること」を挙げている。しかし,一部の先行研究が指摘するように,これには次のような「反例」がある:①後行要素が補助詞요yoの場合 ②後行要素が漢字語接尾辞の場合これら①,②の場合には,後行要素が自立形態素ではないにもかかわらず, 〈n挿入...〉が生じ得, どのように説明すべきかが問題となる。そこで,本稿では,まず,言語形式を「自由形式」か「拘束形式」のいずれかに二者択一的にカテゴライズしてきた従前の研究の問題点を刻挟し,言語形式の自立度の階層性,連続性を指摘した。その上で,服部四郎(1950/1960)などを参看しつつ形態論的条件の反例となる①と②を検討した結果,①補助詞요yo,②漢字語接尾辞はともに,拘束形式の中では,相対日句に自立性が高いことが明らかになった。このことは,とりもなおさず,〈n挿入〉の形態論的条件として,後行要素の自立性に対する着目が正しいことを意味している。つまり,この形態論的条件に対して,一部の先行研究で出された反論は穏当ではなく,〈n挿入〉が生じるためには,後行要素は, 狭義の完き自立形態素ではなくとも,自立的な要素であることが必要だと結論づけうる。続きを見る
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