<紀要論文>
熱板処理によるスギ心持ち柱材の割れ抑制

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概要 スギ等の心持ち柱材は,横断面内の収縮異方性が原因となり乾燥段階で大きな表面割れを起こす.その防止法の一つとして,外層部の接線方向収縮を抑えることによる割れ防止法が考えられる.本研究では乾燥前処理としての熱板処理をとりあげ,適正処理法開発のための基礎資料を得ることを目的に,各種熱板処理条件における処理面表層のドライングセットを測定した.熱板の圧締圧力0.5MPa,熱圧時間30minの一定条件下にして...,熱圧温度を90,120,150,180,210℃で比較したところ,高温ほどセットは大きい値を示した.表層の0~5mm層における処理直後のセットは,180℃,210℃ で3%以上あった.また,1ヶ月室内放置後のセットでは表層の0~5mm層は5~10mm層の約2倍であった.熱板処理後の含水率が表層のみで低下しており,5~10mm層の位置では繊維飽和点まで乾いていないことから熱板処理によるセットが形成されないものと考えられた.なお,表層の応力は処理直後でいずれの温度においても圧縮応力を示すが,その後の乾燥段階では引張り応力を示した.その結果,ほとんどの試験材で乾燥中において割れが発生したが,高温域での熱板処理材で割れが少ない傾向であった.また,処理時間が長いと処理段階で割れが発生した.今後はさらに内層部までセットが形成される適正な処理条件を検討するとともに,その後の乾燥割れ抑制効果を客観的に調べる必要があろう.
Hot press treatment to prevent the surface checks during drying was applied to sugi(Cryptomeria japonica D. Don) boxed heart timbers. In this study, drying set on the surface layer, which might influence surface check, was measured under hot press temperature of 90℃ to 210℃. Large values (over 3%) of set were indicated under the condition of a comparatively high temperature of 180℃ and 210℃ at the surface layer ① of 0-5mm. At the surface layer ② of 5-10mm, the set was hardly formed, as the moisture content did not fall on the fiber saturation point by the hot press treatment. To take more effect of the check prevention, it would be necessary to develop the hot pressing method for drying more inner layer and forming of the set.
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登録日 2009.06.16
更新日 2021.03.03

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