<学術雑誌論文>
マウス精巣における精子幹細胞集団の制御

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概要 Spermatogenesis occurs throughout the adult lifetime of males and is supported by a robust stem cell system. Spermatogonial stem cells (SSCs) are the stem cells of postnatal male germ cells, and not o...nly self-renew but also produce differentiated progeny continuously. Recent report revealed that differentiating spermatogonia could revert into an undifferentiated state, although it was believed that SSCs were homogeneous and that differentiating spermatogonia was not reversible. Although several molecules, which regulate SSC, have been identified so far, molecular mechanisms underlying the maintenance of SSCs as well as the reversible developmental lineage of SSCs remain to be elucidated. In this review, we describe a brief overview of spermatogenesis and summarize the molecular regulation of SSC compartment.
精子形成は精細間の中で厳密に制御されており,体細胞分裂を行う精原細胞,減数分裂を行う精母細胞,そして半数体となり成熟精子へと形態形成を行う精細胞の主に三つの分化段階に分けられる.雄成体のほぼ一生にわたり続く精子形成は幹細胞システムにより支えられており,精原細胞のごく一部にある精子幹細胞が,このシステムの幹細胞である.精子幹細胞は自己複製と分化を繰り返すことにより,絶え間ない精子形成を保証している.精子形成期にある生殖細胞は細胞分裂を経ても完全に分裂せずに細胞間架橋(Intercellular Bridge)により,つながれたまま,同調的に分裂増殖していく.細胞間架橋は精子形成において重要な構造体であり,欠損させると,精子幹細胞以降の分化が障害される.また,細胞間架橋を欠損した精子幹細胞は自己複製し,維持されるが,分裂に伴い細胞周期進行が阻害されるとともに,アポトーシスにより失われていく.精子幹細胞は均一な細胞集団であり,分化しつつある精原細胞は不可逆的に分化の運命を進行すると考えられていたが,最近の報告により,分化しつつある精原細胞が細胞間架橋を切り離すことにより,より未分化な状態に逆戻りできることが明らかとなった.すなわち,精子幹細胞集団は幹細胞自体の自己複製によってだけでなく,分化しつつある精原細胞からの補充によっても維持されていることが示唆され,古典的な考えが修正されつつある.細胞間架橋の断片化による精子幹細胞の補充という新しい概念が登場した精子幹細胞システムについて,本稿では,これまでに同定された精子幹細胞の未分化性維持や分化に関わる分子群について,最新の知見も合わせて概説する.
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登録日 2014.04.25
更新日 2021.07.28

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