ヨミ |
ソウ サコン
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編者 |
花田, 俊典
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スカラベの会
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データベース名 | |
人物詳細 |
1919(大正8)年5月1日、福岡県遠賀郡戸畑町牧山峠(現・北九州市戸畑区)生まれ。詩人・評論家。本名・古賀照一。自伝エッセイ『ドキュメント・わが母 絆』(旺文社、昭61・4)によると、父・古賀丑之助は福岡県柳川市沖端出身で、戸畑に移り住み、牧山峠で古物商(古銅鉄仲買問屋)を営んでいた。母・安東松枝は熊本県菊池市の農家の出身で、柳田國男のいう常民、すなわち日本の古い昔からの庶民の一人だったし、母親は読み書きができず、ヨーロッパの学問や思想を基盤とする学校教育とは縁のないところで自分というものを形づくった人だったという。宗左近は天籟寺小学校、戸畑小学校、宮崎第二小学校、宮崎中学、小倉中学をへて上京し、一高を卒業後、昭和17年、東大文学部哲学科に入学。20年4月、召集により横須賀海兵隊に入隊したが、精神錯乱をよそおって1週間後に除隊。5月25日の東京大空襲に遭遇。9月、東大卒業。都立女専に就職しフランス語を担当。のち法政大学に転じた。高校時代からフランス象徴詩に親しみ、詩作を開始。戦後は「同時代」「歴程」に参加し、やがて〈河童〉と〈縄文〉の世界に傾倒していった。『黒眼鏡』(書肆ユリイカ、昭34・12)以下、多くの詩集があり、『炎える母』(彌生書房、昭42・10)で第6回歴程賞を受賞。また『芸術の条件』(昭森社、昭34・12)『反時代的芸術論』(七曜社、昭38・7)などの美術評論集がある。〈詩集〉『炎える母』(彌生書房、昭42・10)『黒眼鏡』(書肆ユリイカ、昭34)、『河童』(文林書院、昭39)『こころ』(昭森社、昭43)『愛』(弥生書房、昭44)『河童』(弥生書房、昭44)『幻花』(母岩社、昭46)、『虹』(弥生書房、昭47)、『魔法瓶』(文學書林、昭48)、『鑑賞百人一首』(ぎょうせい、昭和昭48)、『鏡』(弥生書房、昭49)、『お化け』(青土社、昭50)〈評論集〉『芸術の条件』(昭森社、昭34・12)、『錨と表徴-フランス文学管見』(昭50)、『芸術家まんだら』(読売新聞社、昭50)、〈翻訳〉ロラン・バルト『表徴の帝国』(新潮社、昭49・11)など。 わたしの骨は母の焼け残った骨によって出来ている/母の焼け落ちた肉がわたしの骨をとりまいて炎える肉となっていぶっている/私の生きるための炎のすべては/炎え落ちない母を炎え落とすために炎えている//だから女よ/炎えているわたしの肉は/おまえをつつみこんでこんなに冷たいのだ (「ご挨拶」)
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関連情報 |
レコードID |
441942
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権利情報 |
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登録日 | 2013.08.16 |
更新日 | 2020.10.26 |