<その他>
北原白秋
ヨミ | |
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関連情報 |
詳細
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権利情報 | |
登録日 | 2013.08.16 |
更新日 | 2020.10.26 |
ヨミ |
キタハラ ハクシュウ
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編者 |
花田, 俊典
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スカラベの会
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データベース名 | |
人物詳細 |
1885(明治18)年1月25日(戸籍は2月25日)、福岡県山門郡沖端村大字沖端町55番地(現・柳川市)に、父・長太郎、母・しけのの長男(戸籍は次男)として出生。詩人・歌人。本名・隆吉(りゅうきち)。実際は母の実家(熊本県玉名郡関外目村)で生れた。北原家は累代油屋、古問屋の屋号で九州に知られた柳川藩御用達の海産問屋。祖父の代から酒造を兼ね、父の代に本業とし、魚市場や精米業を経営。明20年、弟の誕生により、愛称・トンカジョン。明治30年、県立伝習館中学(現・県立伝習館高校)に入学。33年、雑誌「文庫」や島崎藤村の『若菜集』に親しみ、学友らと短歌の創作を試みる。冬「明星」を知る。34年3月、沖端の大火で生家類焼、酒蔵の酒六千余石焼尽。友人と回覧雑誌発行、創作に熱中し、筆名を「白秋」とした。37年、長篇詩「林下の黙想」が4月の「文庫」詩壇を独占、選者河井酔茗が激賞。筆名・北原薄愁。父の反対を押しきり、5月、念願の早稲田大学高等予科に入学。若山牧水・土岐善麿・人見東明らと交流。10月、「明星」に短歌6首、筆名・北原射水。下宿・清到館に牧水も同宿。38年1月、長篇詩「全都覚醒賦」が「早稲田学報」の懸賞1位、「文庫」に同時掲載、注目される。2月、早稲田を退学、後に聴講生。下宿生活から借家に移る。39年、豊多摩郡戸塚村に転居、後に牧水が再び同宿。40年春、弟・鉄雄上京、千駄ヶ谷で同居。7月から約1か月、与謝野寛・木下杢太郎・吉井勇・平野万里らと南蛮遺跡探訪を試み、博多・柳川・佐賀・佐世保・平戸・長崎・天草・熊本などを歴訪、「東京二六新報」に「五足の靴」を掲載。冬、森鴎外の観潮楼歌会に出席、以後毎月出席。41年1月、「新思潮」に象徴詩「謀叛」、詩人の地位が確定。新詩社退会。42年1月「スバル」創刊、主要同人。5月「スバル」に短歌63首。10月、杢太郎らと「屋上庭園」創刊(翌年2月発禁、廃刊)。12月、生家破産、一時帰郷。43年9月、千駄ヶ谷町に転居、隣家の人妻・松下俊子を知る。44年11月、雑誌「朱欒」(ザンボア)を主宰し、創刊(大正2・5終刊)。45・大正元年、俊子の夫から姦通罪で告訴される。拘留後保釈されるが名声は失墜する。この年、一家は郷里を棄て、冬に父も上京。大正2年5月、俊子と同居、一家で三浦三崎に移住。3年2月、俊子らと小笠原父島へ、6月末帰京。俊子と離別。4年4月、弟・鉄雄と阿蘭陀書房を設立し、「ARS」創刊(同年10月廃刊)。5年5月、江口章子と結婚、東葛飾の真間、府下小岩村になどに住む。生活は窮乏を極めた。11月「烟草の花」を創刊、翌月廃刊。6年7月、弟・鉄雄と書肆アルスを設立。7年7月、鈴木三重吉が「赤い鳥」創刊、童謡欄を担当。意欲的に新しい童謡運動を展開。8年3月、「中央公論」に初の小説「葛飾文章」。漸く生活が安定する。夏、「木兎の家」落成。9年1月「マザー・グース」を「福岡日日新聞」「赤い鳥」に訳出。以後諸紙誌に訳を掲載。5月、妻・章子家出、離別。10年1月、山本鼎らと「芸術自由教育」創刊(同年11月終刊)。4月、佐藤キクと結婚。家庭的な平穏を得る。11年3月、長男・隆太郎誕生。9月、「詩と音楽」創刊(大正12年10月終刊)。13年4月、超結社の歌誌「日光」創刊(昭和2年12月終刊)。14年6月、長女・篁子誕生。15年・昭和元年11月、「近代風景」創刊(3年9月終刊)。3年1月、詩人協会創立。7月、恩地孝四郎と飛機ドルニエ・メルクールで太刀洗から大阪へ日本初の芸術飛行(大阪朝日新聞社の依頼)。7年10月、「新詩論」創刊(8年10月終刊)。11月、「短歌民族」創刊(8年6月終刊)。9年6月、台湾総督府文教局の招きで、台湾全島を歴訪。10年6月、歌誌「多磨」主宰・創刊。大阪毎日新聞社の委嘱で朝鮮巡遊。11月、生誕50年記念会。12年11月、改造社の『新万葉集』の選歌完了。無理が重なり、腎臓病による眼底出血、入院。13年1月、退院。14年、薄明の視力ますます衰える。15年4月、阿佐ヶ谷に転居、最後の住居。16年3月、福岡日日新聞社から文化賞受賞。5月、芸術院会員。17年2月、腎臓病・糖尿病悪化、入院。10月末、嘔吐及び呼吸困難の発作激しく、11月2日朝、永眠、享年57歳。青山斎場にて葬儀、多磨墓地に埋葬。〈詩集〉『邪宗門』(易風社 明42・3)『思ひ出』(東雲堂 明44・6)『真珠抄』(金尾文淵堂 大3・9)『白金之独楽』(金尾文淵堂 大3・12)『白秋詩集第一巻』(アルス 大8・9)『白秋詩集第二巻』(アルス 大10・1)『水墨集』(アルス 大12・6)『海豹と雲』(アルス 昭4・8)『新頌』(八雲書林 昭15・10)〈歌集〉『桐の花』(東雲堂書店 大2・1)『雲母集』(阿蘭陀書房 大4・8)『雀の卵』(アルス 大10・8)『観想の秋』(アルス 大11・8)『篁』(梓書房 昭4・5)『白南風』(アルス 昭9・4)『夢殿』(八雲書林 昭14・11)『黒檜』(八雲書林 昭15・8)『牡丹の木』(河出書房 昭18・4)『渓流唱』(靖文社 昭18・11)『橡』(靖文社 昭18・12)『風隠集』(墨水書房 昭19・3)〈詩文・評論〉『白秋小品』(阿蘭陀書房 大5・10)『雀の生活』(新潮社 大9・2)『洗心雑話』(アルス 大10・7)『お話日本の童話』(アルス 大13・12)『季節の窓』(アルス 大14・5)『風景は動く』(アルス 大15・6)『芸術の円光』(アルス 昭2・3)『フレップ・トリップ』(アルス 昭3・2)『緑の触角』(改造社 昭4・3)『明治大正詩史概観』(改造文庫 昭8・12)『北原白秋篇』(改造社 昭10・7)『きょろろ鶯』(書物展望社 昭10・7)『雲と時計』(偕成社 昭14・8)『短歌の書』(河出書房 昭17・3)『香ひの狩猟者』(河出書房 昭17・9)〈童謡集〉『とんぼの眼玉』(アルス 大8・10)『兎の電報』(アルス 大10・5)『まざあ・ぐうす』(アルス 大10・12)『祭の笛』(アルス 大11・6)『花咲爺さん』(アルス 大12・7)『子供の村』(アルス 大14・5)『二重虹』(アルス 大15・3)『象の子』(アルス 大15・9)『月と胡桃』(梓書房 昭4・6)『港の旗』(アルス 昭17・4)『満洲地図』(フタバ書院 昭17・9)〈歌謡集〉『白秋小唄集』(アルス 大8・9)『日本の笛』(アルス 大11・4)『あしの葉』(アルス 大13・5)『北原白秋地方民謡集』(博文館 昭6・9)『青年日本の歌』(立命館 昭7・3)『躍進日本の歌』(アルス 昭11・12)〈鑑賞指導〉『児童自由詩集成』(アルス 昭8・10)〈全集〉『白秋全集』全18巻(アルス 昭4・9~昭9・1)『全貌』全18巻(アルス 昭8・6~昭15・9)『白秋詩歌集』全8巻(河出書房 昭16・1~9)『白秋全集』全24巻(昭59・12~61)他、著書多数。 【恒成美代子】春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外(と)の面(も)の草に日の入る夕(ゆふべ)/ヒヤシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫ひそめし日/手にとれば桐の反射の薄青き新聞紙こそ泣かまほしけれ/草わかば色鉛筆の赤き粉のちるがいとしく寝(ね)て削るなり/君かへす朝の舗石(しきいし)さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ/大きなる手があらはれて昼深し上から卵をつかみけるかも/昼ながら幽かに光る蛍一つ孟宗の藪を出でて消えたり
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関連情報 |
レコードID |
441770
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権利情報 |
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登録日 | 2013.08.16 |
更新日 | 2020.10.26 |