ヨミ |
イチマル アキラ
|
---|---|
編者 |
花田, 俊典
|
スカラベの会
|
|
データベース名 | |
人物詳細 |
1920(大正9)年7月27日、福岡市の生まれ。詩人。生家は市内の新柳町の遊郭であったといい、幼くして両親と生き別れ、同じく花街に住む伯母のもとで育った。昭和12年、福岡中学(旧制)卒。「こをろ」「母音」「九州文学」「ALMEE(アルメ)」などに参加。生来病弱な体質で、戦後は NHK福岡やKBC九州朝日放送などに脚本などを書き、また研究所員や短大・文化サークルの講師をつとめた。昭和41年、福岡県詩人会の創立に加わり、48年から平成1年まで代表幹事をつとめた。第1詩集『天鼓』(思潮社、昭47・6)は、詩誌「ALMEE」に昭和39年から41年まで発表した散文詩計11篇(「血涙記」「幻住庵」「山姥」「筑紫野抄」など)を収録したもの。昭和48年3月、この詩集で第23回H氏賞を受賞した。九州在住者初の受賞だった。「詩学」同年3月号はH氏賞特集。崎村久邦と黒田達也が一丸章論を寄稿している。第2詩集『呪いの木』(福岡・葦書房、昭54・4)がある。昭和59年、福岡市文化賞受賞。平成2年、福岡県教育文化功労賞表彰。平成7年、地域文化功労者文部大臣表彰。平成13年、先達詩人顕彰(日本現代詩人会)。福岡市早良区高取在住。平成14年(2002)6月2日死去。享年81歳。未完の長詩「美濃道行魂胆咄(みのへのみちゆきこんたんばなし)」がある。【花田俊典&恒成美代子】 筑紫路の火まつり大宰府天満宮の鬼すべを二人して見た翌朝 なすこともなくひとり茶の間に居れば火が水を呼ぶとの例えどおり窓も破らんばかりに霙まじりの風が吹いてくる ゆうべは早春を思わせるような空に朧な三日月さえ浮び すさまじい火柱の怪しい照り返しのなかに夢うつつ 汗ばむやわらかいあの手をとっていたものを 何ともはや後朝(きぬぎぬ)の歌にもならぬけさの飛沫(しぶき)のこの冷たさ……(『天鼓』冒頭部分)
|
関連情報 |
レコードID |
441540
|
---|---|
権利情報 |
スカラベ人名事典の人物詳細の著作権は、それぞれの執筆者に属します
|
登録日 | 2013.08.16 |
更新日 | 2020.10.26 |