<紀要論文>
一般教育におけるフランス語教育 : その当初一ケ月の教育の試み : 動機づけと発音の集中練習

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概要 オーラルコミュニケーションの重要性が叫ばれて久しい。また視聴覚教材の発達もめざましいものがあるが,果たして,学生達は,オーラルコミュニケーションに通用するフランス語の発音(各音素は勿論リズム,イントネーションもふくめて)を確実に習得しているのであろうか。書かれたフランス語の単語,文章をきちんと音声化できているのだろうか。今秋の“日本フランス語教育 学会”で講演されたパリ第三大学のガンブルチエール女...史も発音教育が言語教育の中にしかるべき位置を占め}ていないことを指摘され,その必要性,重要性と多様な方法で発音の教授(習得)にあたる必要性を述べられた。1960年代から,日本人学習者のフランス語の発音指導に真摯にとりくんでおられる上智大学のロベルジュ教授は,教師が,テープレコーダーが,完ぺきな手本を 繰り返し聞かせても,学習者はその音を日本語の音韻体系で聞き取るので正しい発音を習得できるわけではない事をつとに指摘され,正しいフランス語発音習得の為の,フランス語に特徴的な発声器官の緊張,強度,リズム,イントネーションの理解と,身体の動きをともなった発声の練習を通しての習得等,ヴェルポ謹トナル理謝1に基づいて,日本人学習者に有効な方法を考案され,素晴らしい効果をあげられている。ところで,大学の一般教育の枠内でフランス語を習得する際時間の絶対的不足も伴って,学習者は,きちんとした発音のやりかたがわからない,また正しく音読できないという状態を引き ずりながら授業に臨み,学習意欲をなくしていくケースが多いようである。筆者は最初の6-7回の授業をフランス語の母音音韻体系の説明,各母音の調音の仕方,身体の動きをともなった発声練習,綴り字の読み方,子音の発音と発声法,リズム,イントネーション等(単語レベル,話線レベル)の説明と集中練習に割いている。時間の制約の中で,ロベルジュ教授の実践を体系的に踏襲させて頂く事は全く不可能であるが,理論的に大いに示唆をうけている。学習の初期段階でフランス語の音の特徴を理論的に,また実践的にある程度時間をかけて学ぶことは,より良い発音の習得への動かしがたい基礎となる。また,正しい発音の習得はコミュニケーションを持ちたい[とい]う人間の基本的要求だから学習者の意欲と学習の喜びをひきだすことができるように思われる。授業では声を出して発音させる事を重視している。正しい発音の習得は特に初期段階においてはヒアリング能力を高める。本稿は以下に列記する項目の順に,九州大学におけるフランス語教育のプログラム紹介と筆者のフランス語初学者(九州大学生)への黙フランス語1”(1コマ90分,週2回)の授業の最初の一ケ月の教育内容をその理論的根拠も含めてまとめたものである。一レジュメ,一序文,(i)九州大学の一般教育におけるフランス語教育のプログラム,(2)大学の一般教育におけるフランス語教育の利点と難点,(3)フランス語発音教育の初期時点での重要性,(4)第一回目の授業:フランス語学習の意欲を引き出すために,㈲ フランス語の発音の集中訓練,(6-1) 口唇母音と子音の発音練習,(6-2)文字素の発音練習とフランス語のプロゾディーについての説明,(6-2-1)単語の発音練留,(6-2-2) プ ロゾディー,(6-2-3)話線のプロゾディー,一結論 主な教材として用いているものを末尾に添えた。此の表は単に発音練習の為にのみ留まってはいない。語彙は,フランス語にとりこまれた地方語起源(ブルトン語,プロヴァンス語等)の語彙,外来語起源(アラビア語,イタリア語,英語,日本語等)の語彙,和製のフランス語の起源になっているフランス語等を意識的に盛り込み,文化・文明の交流の現象を学生に実感させることや,次の学習段階で学ぶ,基本的語彙(1~10迄の数字,曜日等)や簡単なよく使われる表現等に習熟させることも発音教育と平行して目指している。続きを見る

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登録日 2010.01.22
更新日 2017.02.08