<紀要論文>
大学における公開スポーツ教室の運営・指導に関する事例研究

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概要 九州大学における過去3ケ年にわたる公開スポーツ教室の運営・指導をめぐる問題を,調査に基づきながら検討してきたが,結果を要約すると以下のとおりである。1.大学の指導者と施設の関係上,教室開設の時期は夏季休暇(7月〜8月)に限定され,その形態は短期集中型にならざるを得なかった。このことについて,第1回教室では特に時期と期間の変更意見が目立ったものの,回を重ねるにつれ全体的に肯定意見が増えてきた。2.参...加者は,一般に暮らしむきが豊かでスポーツの経験者で積極的であるという特性を示した。特にバレーボール・コースは,クラブ所属者が半数以上を占め,スポーツの機会提供という主旨からは不本意であった。従って,参加希望者の公平な取り扱い及びスポーツする機会の少ない人の参加を得るような募集方法は,なおも検討すべき課題として残った。3.第1回教室の参加者が募集を下回ったことは,PR方法に問題があったと考えられる。教室開設の情報は「人から聞いて」が多く,広域媒体であるテレビ,ラジオの効果は期待に反して少なかった。そこで第2回教室からは地域限定の広報媒体である「市政だより」を利用したが,特にテニス・コースではかなり有効なPR手段となった。4.教室開設中は傷害もなく無事終了したが,傷害問題に対処するため第2回教室以後は参加者全員を「スポーツ安全協会傷害保険」に加入させた。この点については反対意見もなく,指導する側も安心して指導できた。5.指導内容・方法については,全体的な感想は両コースとも殆どの者が「よかった」と答えている。しかし,テニス・コースの第1回教室では初級者はその成果も期待どおり得られているが,上・中級者には不満がでておりその成果は不十分であった。それは,初級者と経験者を同じグループに入れて初級者中心の指導を行ったためと思われる。そこで,第2回以後は技術水準によってグループ編成を行い,プログラムも別々に作成して指導した。その結果,第1回に比べて成果もあがりよい評価を得た。またバレーボール・コースは,第1回教室はその成果も参加者の期待どおりであったが,第2回は集団プレーやゲームの占める割合が多かったため,特に経験の少ない参加者に不満がかなりあった。そこで第3回は,継続参加者と初参加者とを分けて個人指導に重点をおいたが,VTRによるフォームの指導は好評を得たものの「個人指導を多くという意見が依然として多かった。それは,1つには指導者数に対して参加者が多かったためであり,指導効果をあげるためのグループの適正規模を考慮して参加者募集を行うことが大切といえる。6.バレーボール・コースでは,第2回と第3回教室で「壮年体力テスト」を実施したが,これによって各人の体力の現状がわかり,バレーボールをすることの意義づけにも役立った。7.第3回教室では「スポーツ講演会」をプログラム化したが,その評価は賛否二派に分かれた。その内容にもよるであろうが,教室におけるこのような講演会の実施をめぐってはなおも検討を要する。8.教室参加の影響は,「基礎的技術を習得した」,「スポーツの楽しさを味わった」,「健康・体力に自信がついた」,「ストレス解消,気分転換になった」などの身体的,心理的効果の他に「友人ができた」,「生活に活気がでてきた」,「時間の有効利用になった」などの社会的,副次的効果もみられた。9.教室終了後,テニス・コースは新しくクラブに加入した者は1割強であり,約6割の者はその後の活動は数えるほどしかしておらず低調である。これは,テニスのクラブがまだそんなに多くないことや参加者の側の条件に起因すると思われる。一方バレーボール・コースは,既にクラブに所属する者が多く,教室の前と後の活動状況は「あまり変らない」とする者が最も多い。しかし,それまでクラブに所属していなかった者のうち6割以上が新しくクラブに加入し,活動量も増えている。なお,教室終了後の指導のあり方については引き続き検討すべきであろう。10.テニスまたはバレーボールに対する態度は,第1回教室のテニス・コースの初級者と第3回のバレーボール・コース参加者に好意的な変容傾向がみられた。参加者の態度はもともと好意的であるが,指導の内容・方法次第では特に初心者の態度の好意的変容を期待してよい。続きを見る

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登録日 2009.09.08
更新日 2018.06.12