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概要 |
(1)カエル心房筋に対するニトログリコールの作用を、二重蔗糖隔絶法を用い膜電位および収縮張力を記録して検討した。(2)ニトログリコールは血管拡張作用ばかりでなく、心筋に対しても直接作用することが確かめられた。すなわち4X10-8Mですでに陰性の変力効果を示し、濃度を増すに従って濃度依存性に抑制は強まり、4X10-2Mで収縮は完全に消失した。(3)この陰性の変力効果は、濃度によりその作用が異なり、低...濃度ではIca-非依存性の張力のみを抑制するが、高濃度になるとIca-依存性張力をも抑制した。(4)その場合、Ica-非依存性張力の抑制がまず起り、少し遅れてIca-依存性張力の抑制がみられた。正常Ringer液で洗浄した場合は、この逆の順序で回復した。(5)3分間刺激を停止した後のrested state contractionは、ニトログリコール投与により、steady contractionになるまでの時間が非常に延長された。(6)caffeine contractureは、ニトログリコールが存在すれば、caffeineを除去しても弛緩は起らなかった。(7)この時ニトログリコールを溶液から除くと、contractureは直ちに消失した。(8)以上のことから、ニトログリコールは心筋に対しては、細胞膜のCa-pumpの促進と共に、SRのCa uptake抑制にも重要な働きをしており、非常に高濃度では更に細胞膜イオンチャンネルにも作用するのではないかと思われる。続きを見る
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