<Doctoral Thesis>
Fundamental research on the standard creation of beauty in space design : the creation of a checklist for the production of a beautiful interior space design

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Abstract  本研究の目的は、これまで思想や哲学等の分野でしか扱われることのなかった美に対して、論拠ある科学的なアプローチを行い、人々の美的価値観を見出すことにある。その方法として、心理学的手法を用いた印象評価実験であるSD法や評価グリッド法を用いる。そしてその結果を基に、「美の基準」と言えるような、デザインコードを創出し、建築デザインの分野における、美的空間創造に寄与できるものを提案したい。
 本論文の内容で...あるが、第1章にて、本研究の背景や目的を述べ、第2章では本研究のような環境心理学の分野以外で、現在、美に対して科学的なアプローチが可能な、神経科学や脳内生理学などの医学の分野と、心理学的手法を用いた心理学的美学の分野においての現況を述べ、本研究の位置する環境心理学の分野における美へのアプローチの妥当性を示している。
 第3章においては、環境心理学の分野におけるSD法を用いた実験を行い、現在の日本人の美意識の階層構造を明らかにしようとするものである。これは、日本人の美意識が、一般に「わびさび」や「幽玄」等、特徴的な美意識を有するというようなことが、恣意的に言われているが、科学的アプローチの基、論拠ある資料というものが見いだせない現況にあって、まず、日本人の美意識の構造を把握し、第4章における、現代日本人の美的価値観の究明の、基礎資料とするものである。ここでは、「あいまい」という概念に注目し、この概念が日本人の特徴的な美の概念であることを確認し、更に現代日本人の、美の概念の階層構造を把握できた。
 さらに第4章では、実際の人々の空間に対する美的価値観を知るために、評価グリッド法を用いた実験を行い、人々の美的価値観の抽出を行った。その結果、多くの人々に共通する美的価値観が抽出された。また、年代や男女差、教育環境(建築系・非建築系)等の属性による違いが見られる美的価値観も抽出された。
 これらの美的価値観を基にして、第5章では、デザイナーらが美しい空間を創造する場合の基礎的資料となるような、デザインコードとしての美のチェックリストを創出している。このチェックリストは、神奈川県真鶴町における都市景観に対する「美の基準」を参考にしている。しかしこの真鶴町の「美の基準」はある種演繹的な考え方から導き出されたものであるが、本研究の美のチェックリストは、帰納的帰着としての印象評価実験から人々の美的価値観を抽出し作成されている点が大きく違う。このチェックリストの使用方法は、真鶴町における「美の基準」のような行政や第3者的な立場にある機関が、設計の実施設計に入る以前の計画段階での設計者や建築主らとの事前協議として活用されることを想定しているが、本来は設計者自らが積極的に取り組むべきものであり、デザイナーたちが美しい空間の創造のための論拠ある基礎的資料と言える。
 このチェックリストがより多くのデザインの場面で活用され、美しいインテリア空間がより多く創造されていくことが期待される。
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pdf k028-01 pdf 135 KB 278 表紙
pdf k028-02 pdf 1.63 MB 913 序論
pdf k028-03 pdf 4.17 MB 478 第2章
pdf k028-04 pdf 9.32 MB 1,220 第3章
pdf k028-05 pdf 19.9 MB 733 第4章
pdf k028-06 pdf 54.3 MB 1,666 第5章
pdf k028-07 pdf 883 KB 516 第6章 総括

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Report Number
Number of Diploma
Granted Date
Faculty
Created Date 2009.08.13
Modified Date 2020.08.27

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