概要 |
固体高分子形燃料電池(PEFC)はエネルギー変換効率が高く, 生成物が水のみであることからゼロエミッション化が可能であり, 高効率・低公害性が強く求められている自動車および小型コージェネレーション用動力源としての実用化が期待されている. しかし燃料電池の本格的普及に向けては, 更なる発電性能の向上, 耐久性の向上, 並びにコスト低減などの技術的課題が多く残されており, PEFC主要構成要素である膜...電極接合体(MEA), ガス拡散層, 並びにセパレータ流路などの最適化が重要な研究課題になっている. 特にセパレータ流路は電極触媒層への反応ガスの供給, 並びに生成水の排出過程に大きな影響を及ぼすことから適正な流路構造に関する設計指針を明らかにすることが重要である. PEFCの電極面はセパレータリブ部とガス流路部に接する二つの部分から成るが, PEFC性能向上には発電割合の高いリブ部電極面に反応ガスを積極的に供給する必要があり, その方策として対向櫛形流路を用いリブ下拡散層への吹抜け流量を増大させることが有効である. 一方, 流路部における生成水排出にはサーペンタイン流路を用いガス流速を増大させることが有効であると考えられるため, 本研究では対向櫛形流路とサーペンタイン流路を併せ持つサーペンタインハイブリッド流路を考案し, 高加湿から無加湿までの幅広い運転条件下で発電性能を向上させるための設計指針について明らかにした.続きを見る
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