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Abstract |
悪性腫瘍に対する樹状細胞(DC)を用いた免疫療法は、一部でその有効性が確認されつつあるが、未だ十分ではない。我々はこれまでに、その原因として考えられる様々なパラメータのうち、投与されるDCの数が治療成績を左右する重要なファクターであり、理論的に体重比より試算して現臨床プロトコールの10〜100倍のDCが必要になることを明らかにしてきた。しかしながら、DCの大量増幅に成功した報告はこれまで存在しなか...った。そこで本研究は、治療成績の向上を目指したヒトDCの体外大量増幅技術を開発することを目的とした。 ヒト臍帯血CD34陽性細胞を材料として、GM-CSF(granulocyte macrophage colony-stimulating factor)及びSCF(stem cell factor, c-Kitリガンド)(GM/SCF)共存在下で行う一段階培養法、GM/SCFでの培養の後GM-CSF及びinterleukin-4(IL-4)、つまりGM/IL-4存在下での培養に切り替える二段階培養法を開発した。いずれにおいても2-methacryloyloxyethylphosphorylcholine(MPC)コーティングされたプレートを用いて浮遊系での培養を行い、得られたDCについて各種機能解析を行った。上記の培養法により、ヒト臍帯血CD34陽性細胞は5週間の増幅培養で総細胞数100,000倍にまで増幅され、その過程で80%以上がCD11c陽性となった。得られたCD11c陽性細胞は、形態(樹状突起の発現)、各種表面マーカー(接着分子、HLA-DR、共刺激分子)の発現、炎症性サイトカイン/ケモカイン(TNF-α、IL-12p70、IL-1β等)の産生量、抗原取り込み能、及びアロT細胞増殖刺激能において、従来法で得られたDCと同等の性質を示し、これがmyeloid系DCに酷似した、治療に用いるのに必要と考えられる性質を保持しているDCであることを確認した。本研究はDCの体外での大量増幅が可能であることを示し、投与DC数の問題を解決する大きな足掛かりとなると考えられる。本技術により、悪性腫瘍に対するDCを用いた細胞療法の治療成績の向上、アフェレーシス回数削減による低侵襲化、及び適用範囲の拡大が期待される。show more
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Table of Contents |
要旨 緒言 材料と方法 結果 考察 謝辞 引用文献
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