<博士論文>
低アスペクト比・高密度ヘリコンプラズマの生成とその特性に関する研究

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概要 非平衡媒質としてのプラズマは,通常の物質では見られない特異な性質を示すので,産業分野や宇宙推進器開発等に広く応用されている.また最近では,既存のプラズマ応用技術の高性能化のため,新たなプラズマ源の導入も積極的に行われている.中でも,プラズマ波動の一種であるヘリコン波を用いた生成法は,高密度プラズマを容易に得ることができるため,次世代プラズマ源として有望視されている.しかしながら,現行のヘリコンプラ...ズマ発生装置は大型のものが大半を占めており,汎用的な高性能プラズマ源としての有用性を探るためには,短軸長・低アスペクト比を有するコンパクトなヘリコンプラズマ源の実現が急務となっている.また短軸長化してヘリコンプラズマを生成すると,ヘリコン波の波長が装置長と同程度になるため,波動の性質が従来と異なってくる可能性が指摘されている.そこで,本研究では短軸長・低アスペクト比ヘリコンプラズマ生成のための条件をプラズマ波動の観点から実験的に明らかにすることを目的とした.本研究では,フラットスパイラルアンテナを用いてプラズマを大口径化し,可動式の軸方向終端板を用いてプラズマを短軸長化させることで,短軸長・低アスペクト比ヘリコンプラズマの実現を目指した.励起された波動磁場と電子密度の計測には,磁気プローブおよび静電プローブを用い,それらの空間構造を調べることで,プラズマ生成と波動特性を統一的に理解した.ヘリコン波の空間分布を調べた結果,低アスペクト比ヘリコンプラズマが生成されている時には,軸方向装置長がヘリコン波の波長の 1/4 になるような定在波が励起されていることが分かった.また外部パラメータおよび軸方向境界条件を変化させた実験を行い,定在波が励起されている限り高密度ヘリコンプラズマが生成されることを確認した.この実験結果は,短軸長・低アスペクト比ヘリコンプラズマの生成に対して定在波の励起が本質的な役割を果たしていることを示している.本研究は,定在波が励起されていれば,高密度を維持したまま従来よりも2桁程度低いアスペクト比のプラズマ生成が可能である事を示したものであるが,得られたアスペクト比は,産業応用や推進応用の実用化レベルであり,ヘリコンプラズマが次世代の高密度プラズマ源として有用であることを示している.また各分野における応用を考慮して,軸方向の終端板の材質が絶縁体の場合,および導体の場合のそれぞれに対してプラズマ特性を評価した.続きを見る
目次 第1章 序論
第2章 ヘリコン波の理論
第3章 実験装置及び測定方法
第4章 低アスペクト比ヘリコンプラズマにおける定在波構造
第5章 低アスペクト比ヘリコンプラズマ生成と制御に関する考察
第6章 結論

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登録日 2013.07.12
更新日 2023.11.21

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