<博士論文>
シームレステクスチャの生成法に関する研究
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概要 | テクスチャマッピングとは,コンピュータ上の3次元物体の表面にテクスチャパターンを貼る付けることによって,物体の可視化を行う手法である。この手法は,既存の様々なテクスチャを利用することができ,計算コストが少なく,質感の向上が容易な技術である。従って,この手法においてはテクスチャの生成法が重要な意味を持ち,テクスチャ解析手法を利用したテクスチャ再構成法,化学反応の状態遷移を利用したテクスチャ生成法など...様々な研究が進められている。しかしながら,テクスチャマッピングにおけるテクスチャの生成には二つの困難な問題がある。第1の問題は,テクスチャマッピングを行う際,マッピング領域が,基本テクスチャパターンよりも大きい場合には,基本パターンを繰り返し使用することとなり,基本パターン間に境界線が現れてしまうという問題である。これまでにこの問題の解決法として,基本パターンの上辺と下辺,左辺と右辺のパターンがそれぞれつながるような基本テクスチャパターンを生成する方法がある。しかしながら,この方法で生成された基本テスクチャパターンは一定の向きでしか使用することができず,基本テクスチャパターンの繰り返し模様が目立ちやすく,その結果,生成されたパターンの質感は単調なものとなってしまう。 第2の問題は,根本的な問題であるが,基本テクスチャパターンの品質の問題である。テクスチャの品質の客観的評価法として様々な評価関数も提案されているが,それほど有効とはいえない。従って,人間が最終的には評価することになるが,その際には,評価の対象となる多種多様なテクスチャパターンの生成を前提とした比較検討が,容易に行える必要がある。 本論文は,テクスチャマッピングの際に境界線の問題が起こらない基本テクスチャパターンの生成法と,テクスチャの品質向上の方法として遺伝的アルゴリズム(GA)を適用する方法に関する研究をまとめたものであり,6章から構成されている。 第1章では,本研究の背景と扱っている問題を示し,あわせて論文の概要について述べている。 第2章では,まず,境界線の問題の解決法として既に利用されている,代表的なものについて述べている。すなわち,平面上に生成される基本テクスチャパターンのトポロジーがトーラスと同相であることを説明し,この平面上にテックスチャを具体的に表現する方法として,ある画像をもとに乱数を用いて書き込み位置を指定する方法(ランダム書き込み法)を示している。その後,上下,左右に加えて,回転操作を行っても境界線の問題を生じない基本テクスチャパターンの境界条件をトポロジーの観点から考察している。この考察した結果を基に具体的な基本テクスチャパターンを生成する方法を示す。このような上下,左右に加えて,回転操作を行っても境界線の問題を生じない基本テクスチャパターンのことをシームレステクスチャと呼ぶ。シームレステクスチャの生成方法としては,ランダム書き込み法とフラクタルの中点変位法を基としたフラクタル法を示し,この方法が有効であることを実験を通して実証している。 第3章では,第2章で説明したフラクタル法の拡張を目的とし,中点の変位量を決定する減衰率パラメータを変更することにより画像を埋め込む方法と,生成平面上に埋め込んだ画像の濃度値を利用しながら,基本テクスチャパターンを生成する方法とを提案している。その後,これらの方法が有効であることを実験を通して実証している。 第4章では,第2の問題点としてあげたテクスチャの品質の問題を,第2章で説明したフラクタル法に遺伝的アルゴリズム(GA)を適用することによって解決する方法を提案している。まず,フラクタル法で使用された乱数列および減衰率パラメータから染色体を構成し,この染色体にふたつのGA操作,“突然変異”および“交叉”を施す。この二つの操作が施された染色体からフラクタル法で再度,テクスチャを生成し,これに対して第3の操作である“淘汰”を行う。この方法によれば,多種多様な基本テクスチャパターンの生成が容易であり第2の問題の解決に必要な条件を満たす方法である。 第5章では,シームレステクスチャの境界がつながるという性質を利用したカラーパレットの生成法を提案している。この方法により生成されるパレットは,パラメータの設定によって容易に複数のカラーパレットを生成することができる。また,シームレステクスチャの境界がつながるという性質から,これをリング状のカラーパレットと見なすことが出来,任意の位置から使用カラー数を減らさずに利用できる。又,このパレットをテクスチャの色づけに用いた場合,疑似輪郭が現れにくい。 第6章では結論を述べ今後の課題について論ずる。続きを見る |
目次 | 目次 第1章 序論 第2章 シームレステクスチャの生成法 第3章 画像埋め込み型シームレステクスチャの生成法 第4章 GAを用いたシームレステクスチャの生成法 第5章 シームレスカラーパレットの生成法 第6章 結論 謝辞 参考文献 図目次 表目次続きを見る |
本文ファイル
ファイル | ファイルタイプ | サイズ | 閲覧回数 | 説明 |
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k042-01 | 169 KB | 341 | 目次 | |
k042-02 | 854 KB | 275 | 第1章 | |
k042-03 | 11.9 MB | 431 | 第2章 | |
k042-04 | 11.1 MB | 368 | 第3章 | |
k042-05 | 16.4 MB | 370 | 第4章 | |
k042-06 | 48.8 MB | 542 | 第5章 | |
k042-07 | 282 KB | 226 | 第6章 | |
k042-08 | 99.8 KB | 208 | 謝辞 | |
k042-09 | 387 KB | 212 | 参考文献 | |
k042-10 | 356 KB | 208 | 図目次 | |
k042-11 | 60.1 KB | 184 | 表目次 |
詳細
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授与日(学位/助成/特許) | |
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登録日 | 2014.01.22 |
更新日 | 2020.10.06 |