<その他>
福岡都市圏近代文学文化年表 ; 明治30年
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登録日 | 2013.08.21 |
更新日 | 2021.12.14 |
編者 |
花田, 俊典
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スカラベの会
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年表 |
文学作品:1月 荷舟女史「片おもひ」(「福岡日日新聞」1日-10日)枯川「人不知」(「福岡日日新聞」1日-3月14日)堺枯川「読一葉全集」(「福岡日日新聞」19日-21日)住の江遠翠「迷晤の境」(「福岡日日新聞」26日-28日)2月 枯川子「見真録」(「福岡日日新聞」3日-4日)啞蝉子「勝子」(「福岡日日新聞」4日-16日)3月 今村外園(為雄)『国守忠平』【★108】 (磊落堂)半仏入道「鳥籠」(「福岡日日新聞」16日-5月9日)枯川「長崎雑記」(20日-25日)枯川「人不知後篇」(「福岡日日新聞」28日-4月29日)5月 半仏「男自慢」(「福岡日日新聞」19日-7月20日)入真「女囚」(「福岡日日新聞」22日-6月30日)7月 とくさ「比翼塚」(「福岡日日新聞」22日-9月9日)8月 宗像山人「竹槍日記」(「福岡日日新聞」28日-10月14日)9月 はんふつ「くずのうら葉」(「福岡日日新聞」3日-11月5日)10月 堺枯川「長夜物語」(「福岡日日新聞」14日-11月27日)12月 芝尾入真・大石鵞堂「貫の城」(「福岡日日新聞」5日-31年2月19日)■この年、石田「福陵新報」目録なし
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文学的事跡:10月 丁吉治が福岡日日新聞社に入社。11月 五高教授夏目金之助(漱石)が「学術研究ノ為メ福岡佐賀両県下ヘ出張ヲ命」ぜられ(10月29日)、英語授業視察のため佐賀県尋常中学校(11月8日)を経て福岡県尋常中学校修猷館に来校(9日)。
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社会文化事項:1月 新茶屋の筑紫楼主人伴蜂籠が中洲券番を開業し、相生券番と対立。この頃、東中州の「栄(永)楽舎」を改装し「明治座」【★109】と改称。2月 博多絹綿紡績会社開業(*35年12月鐘紡と合併)。3月 「万歳館」が大浜の晴心館隣りに開業(2日)。4月 磯野七平が片土居町に博多土居銀行を創立。6月 旧黒田藩主黒田長成の提唱で筑前協会と筑前自由党が合体し、社交団体「筑前倶楽部」発会式(*会長は黒田長成、幹事は平岡浩太郎・進藤喜平太ら)。8月 博多聖福寺境内の劇場「教楽社」で県下初の活動写真(シネマトグラフ)上映(12日-22日*23日から柳町海岸の掛小屋で10日間興行)。夏、9月、博多汽船㈱創立し、博多-大阪、博多-鹿児島間に月3便就航。第十七国立銀行が㈱十七銀行に転換(22日)。11月 博多電灯株式会社が開業し、福岡市内に初の電灯がともる(1日*明治24年熊本、明治26年長崎についで九州で3番目、博多電灯会社は29年5月設立認可、44年10月福博電気軌道と合併)。肥筑平野で広島第5師団・熊本第6師団合同の陸軍大機動演習実施【★110】(17日-19日)。この年、野球が流行し、福岡県尋常師範学校・修猷館・十七銀行に各チーム結成。筑前琵琶の吉田竹子が上京し、政財界・宮家で演奏披露。相川錠吉が橋口町に古書店「相川鳳文堂」創業。
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日本・世界事項:6月 八幡村枝光に官営製鉄所が開庁。京都帝国大学創立(22日)。10月 朝鮮、国号を「韓」とす。
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【★108】『国守忠平』:明治30年2月25日印刷、3月5日発行。著者は福陵新報記者の今村外園(本名は為雄、福岡県筑紫郡住吉村大字住吉322番地)。発行兼印刷者は林斧介(福岡市博多中島町40番地)。発行所は磊落堂(福岡市博多中島町40番地)。陸軍大佐吉田清一君題字、福岡師範校長小泉又一君序、従軍画家久保田金仙君密画。「自序」に、「本編ハ福岡県尋常師範学校の生徒諸氏が立案なり、則ち忠臣国守忠平の伝ハ去る明治廿八年福岡衛戌内の鎮魂祭当日に、又孝子国守孝太郎の伝ハ翌廿九年同所の招魂祭当日に、何れも造り人形として奉納されたるものなり、聞く所によれバ同校の教諭諸氏が忠孝を基礎として趣向を設くべしとの大方針を授くるや、直ちに生徒中の各部より両三名宛の趣向委員選出されて百方協議を凝し、而して此趣向の熟するや課業の餘暇を以て遂に彼が如く大成し得たりとなり、其趣向の悲惨なる言ふまでもなし、廃屋の構造の緻密にして実を穿ちたる、人物の容貌の貧寠にして真に迫りたる、当時之れを観るもの一人として泣ざるなく、予が如き殆んど正視する能ハさりしなり/今般同校に請ふて此の趣向を譲り受け、愈々一編の小説に物せんとするに当つてや、予は案外にも非常の苦痛を感じき、」云々とある。
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【★109】明治座:「明治座は二階建、客席千二百の本格的専門劇場となって、ながく博多のひとに親しまれたが、大正六年宇美町の興行師の手に移り、同地に移転して子安座となった。終戦後も健在だったが、老朽のため昭和三十三年解体された。」(井上精三『博多風俗史 芸能編』)
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【★110】陸軍大機動演習:「○大演習前の福岡市の光景/福岡、博多約一万戸のうち、舎営用として徴発せられたるもの五千戸に上り、市中は忽ち一大兵営と化したり。大将、中将、少将約二十名、大佐以下諸将校になるや幾百を知らず。征馬朝に嘶き、軍馬風に飜るさまは勇ましく、各戸は日の丸国旗と提灯を軒頭に掲げ、幔幕を以て店頭を飾る。所々に歓迎の大旗、小旗、要所に緑門アーチ。橋上は球灯を飾り旗を吊し、勇壮にして派手やかなり。街路は桜花を植ゑ、飾竹を立てて馬蹄かつかつ、靴音粛々。薄暮は万灯一時に輝き、不夜城となれり。」(「福岡日日新聞」明30・11・16)
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関連情報 |
レコードID |
410563
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権利情報 |
福岡都市圏近代文学文化史年表の著作権は、それぞれの執筆者に属します
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西暦 |
1897
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和暦 |
明治30年
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登録日 | 2013.08.21 |
更新日 | 2021.12.14 |