ヨミ |
シマ カズハル
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編者 |
花田, 俊典
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スカラベの会
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データベース名 | |
人物詳細 |
1930(昭和5)年5月5日、熊本県天草郡竜ケ岳村大道(現・竜ヶ岳町)の生まれ。小説家。本名は赤瀬一春。以下、『〈シリーズ・私を語る〉のさりの山河』(熊本日日新聞社、平8・7)などによると、昭和19年、大道国民学校高等科1年を終了後、熊本地方航空機乗員養成所(菊池市)に入所し、敗戦は同新潟養成所で迎えた。戦後は採石所や肥料会社につとめ、かたわら創作に励んだが、結核を発病し、長い闘病生活をしいられた。昭和28年5月、文芸同人誌「詩と真実」に参加し(35年5月退会)、30年、東京で結成された農民文学会にも入会。極貧の生活だったため原稿用紙も買えず、結核療養所で薬の包み紙を貼りあわせて鉛筆でマス目の線を引いて書いたという。昭和35年7月、本格的に作家活動を開始すべく単身上京。この間、彼が同人誌「詩と真実」(熊本市)に発表した小説は「山小屋」(昭28・6)「一しょう鍋」(昭29・3)など計4篇。「秋の蝶」(「農民文学」昭30・11)「無常米」(「農民文学」昭31・8)で第1回農民文学賞次席となり、ついで「老農夫」(「地上」昭32・6)も次席だったが、この作品で第4回地上文学賞(家の光協会)を受賞。創作集『無常米』で第3回農民文学賞を受賞した。ちなみに昭和38年11月から「日本農業新聞」に連載した「活火山」は、「日本農業新聞文化部の南里征典記者(現・作家南里征典)の熱心な推挙」のおかげだったという。千葉県流山市に長く住み、出版社「南書房」を経営していたが、現在は帰郷し、執筆活動を継続している。著書は多くあり、『無常米』のほか、『孤島』(東西五月社、昭34・9)『燃える蝶』(南北社、昭42・6)『男なり』(五月書房、昭43・12)『農協人物山脈』(文化総合出版、昭47・6)『殉教の島天草』(日芸出版社、昭48・2)『燃える海』(家の光協会、昭52・7)『天草おんな恋歌』(家の光協会、昭53・4)『わがこころの歎異抄』(佼成出版社、昭53・5)『天草の海はみどりなり』(健友館、昭59・5)『天草灘にひびけ鎮魂の譜』(熊本日日新聞社、昭59・11)『母のいる風景』(佼成出版社、昭60・7)『北の大地に燃ゆ』(第三文明社、昭61・7)『一万人の産声を聴いた』(新潮社、昭61・7)『土といのちと愛ありて』(河出書房新社、昭63・12)『野苺の首飾り』(河出書房新社、平3・5)『野すみれの花咲きて』(本願寺出版社、平1・8)『山河に愛ありて』(健友社、平3・8)『椿坂』(河出書房新社、平5・7)などがある。
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関連情報 |
レコードID |
441892
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権利情報 |
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登録日 | 2013.08.16 |
更新日 | 2020.10.26 |