<紀要論文>
増補 フィクトセクシュアル宣言 : 台湾における〈アニメーション〉のクィア政治
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概要 | このマニフェストは、フィクトセクシュアルに関するフィールドワークとクィア理論的研究をもとに、人間中心的なジェンダー観や性的規範性、そして存在論を問い直すべきだと主張するものである。フィクトセクシュアルがクィアの運動や研究のなかで扱われるようになる過程では、アセクシュアル研究と二次元文化研究の蓄積が重要な役割を果たしてきた。さらに人類学者テリ・シルヴィオの「アニメーション」概念をポストヒューマニズム...的パフォーマティヴィティとして読み替えることによって、架空の存在がもたらす「ジェンダー・トラブル」を、人間と非−人間のもつれから生じる攪乱としてクィア理論の系譜に位置づけることができる。またフィクトセクシュアルの人々は、キャラクターが生身の人間とは存在論的に異なるということに関する思索を通して、脱−人間中心的な存在論や倫理の可能性を切り開いている。しかしながら、フィクトセクシュアルは支配的なジェンダー/セクシュアリティ・システムのもとで周縁化されてきた。この問題は「対人性愛中心主義」および「ヒューマノジェンダリズム」と呼ぶべきものである。対人性愛中心主義とヒューマノジェンダリズムは、性差別、異性愛規範、シスジェンダリズム、強制的性愛と結びついているだけでなく、人間中心的な存在論の問題でもある。こうした問題に取り組むことによって、クィアな世界制作への道が開かれるだろう。続きを見る |
目次 | 解題(松浦優) 要旨(増補 フィクトセクシュアル宣言) 1 フィクトセクシュアルはどのようにしてクィア運動の論点になったのか 2 フィクトセクシュアルの政治的可能性― アニメーションによるクィアな誤配 2.1 非−人間のエイジェンシーによるアニメーティヴな誤配 2.2 アニメーティヴな再帰性による不気味な存在論 3 対人性愛中心主義とヒューマノジェンダリズム 3.1 フィクトセクシュアルの周縁化 3.2 否定−性科学 3.3 対人性愛中心主義とヒューマノジェンダリズム 4 結論―非−人間指向的な世界化の方法 補論 「フィクトセクシュアル支持的空間」には何が必要か 1 導入 2 「抹消」と「驚き」による空間戦略・戦術 3 フィクトセクシュアルの概略的記述 4 フィクトセクシュアル支持的空間には何が必要か ①カミングアウトを許容し、個人情報が漏洩しないよう保護する ②他人が知覚しない存在との対話や相互行為を許容し、保護する ③特定の物質的存在が現れることを許容し、保護する ④ 特定の架空の創作物や表現を創作、所有、閲覧することを許容し、その場にいる他の人を尊重する範囲内での議論、交換、展示を保護する ⑤特定の服装を着用してキャラクターとの関係性を自己表現することを許容し、保護する 5 結語続きを見る |
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登録日 | 2024.09.25 |
更新日 | 2024.09.26 |