<紀要論文>
南極周極流に関する実験的研究

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概要 同軸二円筒から成る回転環状水路中に生成される循環流の特性を南極周極流との関連において記述する.南半球を想定して系の回転は時計まわりとし,水路の水深は一様とした(f-面).流れの駆動には,自由表面に軸対称気流を作用させる方法と,水路の内筒側壁を一様に冷却する方法とが用いられた.こうして生成される順圧風成循環と成層熱成循環の基本的性質を可視化法を用いて調べた.それぞれの循環流に及ぼす地形(半島,海嶺及...び氷被ふく)の効果についても調べた.冷却により作られる熱成循環の主流は鉛直シャーを持つ東向流となり,底層におけるnon-slipの条件を直接満足する.従って,この純粋な熱成循環は,風成循環と同様に,正味の東向流量を持つことになる.ただし,冷却を受ける内筒周辺の底層のみは例外で,そこには幅の狭い西向きの流れが生ずる.この底層境界反流は内筒近くの水面にリング状フィルム(氷被ふく)を置くことにより著しく強化される.それは又,南ー北海嶺などによって遮られると西側境界流となって外周方向(北)に向う.風応力によって駆動される流れの総流量は,熱成循環の場合と異なり,地形,特に海嶺の存在によって強く影響される.即ち,その総流量は海嶺の高さが増加するに従い急激に,しかし連続的に減少する.水深の1/8の高さの海嶺を置くと総流量は約1/2に減ずる.内筒近くの水面にリング状被ふくを置いて風応力を部分的に遮断すると,被ふく外縁に沿って目立って強い鉛直流が生ずる.充分に発達した熱成循環の水面に風応力を作用させると,その影響は底層にまで達する.ここで得た新しい実験結果は南極海域に関する今後のあらゆる研究活動にとって重要な指針となるであろう.続きを見る
目次 1. 序論
2. 実験方法
3. 軸対称流の基本的性質
4. 実験結果
5. 結論

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登録日 2022.01.18
更新日 2023.03.04

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