<紀要論文>
現代大学入学資格検定受検者家庭における教育アスピレーションの世代間伝達

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概要 本稿の目的は、大学入学資格検定受検者家庭における教育アスピレーションの世代間伝達の経路を描き出すことである。筆者が大検予備校に在籍する生徒を対象に行った質問紙調査のデータをもとに分析を行った。その結果、大検受検者の教育アスピレーションは、男女ともに大学進学希望者が約 9割を占めていることが明らかとなった。また、父母の進学期待は、「大学進学」および 「進学先を特に期待しない」の 2つに大別されること...がわかった。さらに、親の進学期待と子どもの教育アスピレーションの一致率はきわめて高いことがわかった。加えて、親が進学先について「特に期待していない」と言明していたとしても、子どもは親の学歴と同程度ないしはそれ以上の学歴を希望し、親の進学期待に応えようとしていることも明らかとなった。こうした高い進学希望は、高学歴な親が子に示す直接的な進学期待と家庭環境からもたらされる潜在的な進学期待に起因している。そして、この傾向が大検受検者全体にみられると仮定するならば、そこに大検の果たす実質的機能が明白にみえてくる。すなわち、大検は、正規の就学ルートを迂回し大学に進学するための機会を、主として高学歴家庭の子弟に対して提供している、ということである。そこにおいて大検の制度的意義を問うとき、重要なのは、そうした「迂回」の意味である。今回、明らかとなった教育アスピレーションの伝達は、本人の就学経験等との関係において、一方では「迂回」という選択を促進する要因ともなっていることを示唆するのである。続きを見る
目次 1 はじめに
2 大検制度概要
3 質問紙調査概要
4 分析
4-1 大検受検者の教育アス ピレーションと親の進学期待の基本的様相
4-2 大検受検者の教育アスピレーションと親の進学期待の関係
5 まとめと今後の課題

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登録日 2021.10.14
更新日 2021.12.13

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