<departmental bulletin paper>
Gegenlicht, Gegenwart, Gegenwort :Die Lage Paul Celans
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Abstract | ドイツ系ユダヤ人としてルーマニアに生まれたパウル・ツェラン (一九二〇─一九七〇) は、第二次世界大戦中、ナチの強制収容所に両親を失った。パリに住むようになってからも、文字どおり彼の「母語」になったドイツ語によって詩作し続けた。みずからの詩を書くとともに、シェイクスピアをはじめ、ヴァレリー、ミショー、エセーニン、マンデリシュタームなど各国の詩を翻訳したポリグロット (多言語者) でもあったが、それ...にもかかわらず、その詩作においては、彼は、あくまでもドイツ語に固執しつづけたのである。 ツェランがこだわり続けたのは、あらかじめ普遍へと開かれたコミュニケイション手段ではなく、むしろそれとは逆に、その固有の世界をどこまでも閉ざすものとしてあった。そのため、彼が発する、ほとんどモノローグの断片のような詩は、それがドイツ語とはもはや呼べないところへと晦渋を極めていく。そこではドイツ語という共通の基盤の上で詩作することはすでに否定され、発語は、必ず「ドイツ語とは何か」という緊張を伴って、投げかけられる。だが、彼の詩作のなかに姿を表してくるのは、思いがけず闢かれる未知の言葉、もはやドイツ語とは呼べないような、未踏の言葉との出会い (Begegnung) なのである。 本論では、パウル・ツェランの詩を、「場」「時」「喩」「無」におけるアポリア、しかも積極的な契機ともなっていくようなそれら四つのアポリアの諸相から捉え。彼の詩的位置あるいは動態を見極めようと試みる。show more |
Table of Contents | 一、場のアポリア 二、時のアポリア 三、喩のアポリア 四、無のアポリア |
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File | FileType | Size | Views | Description |
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002_pa013 | 10.7 MB | 840 |
Details
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Created Date | 2021.10.14 |
Modified Date | 2021.12.13 |