For estimating easily the Heat-Transfer Coefficient of packed bulk agricultural product, a simple graphical method was developed and the coefficients of rough rice was estimated from only one point value on the cooling curve.
農産物の冷却は主として,堆積状でなされ,冷風を強制通風して行なうことが最も多い.したがって冷却装置の設計には堆積農産物を堆積粒子とみたてて,シミュレーションが行なわれる.その際,最も重要な因子は熱伝達係数であって,この推定は一般に実測値を解析することによって行なわれる.さて,この推定の理論についてはまず,Schumann(1929)は堆積粒子とそれを通過又は冷却するガスの非定常熱伝達に関する基礎方程式を与え,粒子の初期温度が一様で流入ガス温度が一定の場合について級数解を与えた.次にFurnas(1930)がこれに変形Bessel関数を含む簡明な積分形式の解を与えて計算法を改良し,これをはじめて堆積粒子の熱伝達係数の測定に利用した.又Lof and HawJey(1948)も同様な方法で堆積花崗岩砕石の熱伝達係数を測定した.しかしこの方法は理論曲線と実測曲線の全体の形の一致によって熱伝達係数を決定するのであって直接実測値の絶対値を利用するものではない.したがって,その方法は試行錯誤的であり,又測定点は加熱又は冷却開始が定常状態に達する迄の全体を必要とし,単点又は少数点による解析は出来ない.ここに示す著者の方法はFumasらの方法と対照的な方法であって,測定点の1点によって熱伝達係数を決定することが出来る.又この方法によって多数の測定点を解析し,その平均を求めればより正確な結果を得ることが出来る.したがって,これをFurnasらの方法と併用して,非定常法による堆積粒子の熱伝達係数の測定に利用すればきわめて有用と考えられる.