As a measure of flashiness for mountain torrents, the “coefficient of fluctuation” has been introduced. It is the day-to-day variations in discharge summed up over the period under consideration, divided by twice the sum total of the daily discharges during the same period. If the number of days is not less than 3, the coefficient of fluctuation may attain but never exceeds 1. What may perhaps be consideration, divided by twice the sum total of the daily discharges during the same period. If the number of days is not less than 3, the coefficient of fluctuation may attain but never exceeds1. What may perhaps be considered as its advantages over the hitherto proposed measures of the flashiness of river flows are (1) that it takes account of the chronological order in which the daily flows occur and (2) that it can be computed on the daily record of discharge according to a simple scheme without rearranging the data. The coefficient of fluctuation calculated for eight mountain streams in Kyushu, Japan, ranges from 0.13 to 0.20 as against 0.30to0.67, the corresponding range of Gini’s coefficient of concentration, which is the complement(with respect to unity) of the measure of uniformity introduced some years ago by Mr. D. Lloyd.
河川の流量変動を支持する尺度としてこれ迄提案されたものに(1)変異係数(coefficient of variation)(2)河況係数(coefficient of river regime)(3)Lloydの均等度(lloyd’s measure of uniformity)(4)河川特性数(stream characteristic)等がある.変異係数は記述統計学で広く用いられている周知のもので,日流量の変異係数とは,日流量の標準偏差と平均値との比である.河況係数とはある期間内に於ける最大流量と最小流量との比である.[図入り]Lloydの均等度は次の様な幾何学的考察から導かれた.考を具体的にする為,当面の考察の対称である河川流量に例を取つて見よう.こゝに某川の若干年間の日流量(x)の記録があるとする.此を流量の小さい方から大きさの順に並べ,最初のy個の日流量の和zを縦座標にyを横座標にとつて点をplotすれば第1図の曲線OPBを得る.此を集中曲線(curve of concentration)という.因に図のOA, AB(日流量の総和)を夫々100として画いた集中曲線はいわゆるLorenz曲線で所得の均等度表示等に用いられているものである.日流量がすべて等しい場合,即ち流量分布が完全に一様な場合には,集中曲線は直線OBとなり,日流量の一つが総和ABに等しく,従つて他は尽く零である場合即ち流量分布が最も不均等な場合には,OABとなる.一般には集中曲線は三角形OABの内部を走る情報に凹なOPBの様な線となるのであろう.よつて直線OA,ABと集中曲線との間の面積の三角形OABの面積に対する比(L)は,日流量の均等の程度を表わす一つの尺度と見ることが出来る.Lが即ちLloydの均等度である.1-Lは直線OBと曲線OPBとに包まれた部分の面積即ち集中面積(area of concentration)の三角形OABの面積に対する比を表わし,流量の散らばりの程度を測る一つの尺度と考えられる.此の比の半分をLorenzの比と呼ぶ.次に総日数をn,n個の日流量から取つたあらゆる二つの日流量の差の算術平均をΔ,日流量の平均値をxとすれば,nが大きく流量が連続変量と見なし得るとき1-L=Δ/2xであることが示される.Δ/2xはGiniの集中係数(coefficient of concentration)と呼ばれる量である.此をGで表わせば,Lloydの均等度はnが十分大きく変量が連続的と見なし得るときL=1-G=1-Δ/2xと書くことが出来る.次に日中量がxを越えない日数を,第1図のS点で表わすとすれば,x=AB/OA=ST/OS,またxを越えない日流量の平均値をx’とすればx=SP/OS,故にx’/x=SP/ST.SP/STもまた日流量が最も均等であるとき1となり,最も不均等であるとき零となる量であるから,x’/xを均等度を測る一つの尺度に取ることが出来る.此を河川特性数(stream characteristic)という.なおdz/dy=xであるから,S点におけるdz/dyはxに等しく,従つてPに於ける集中曲線の接線はOBに平行である.以上述べた4量の中で変異係数と河況係数とは流量の分散度を表わし,Lloydの均等度と河川特有数とは,その均等度を表わすものであるが,此等はすべて時間的順序を顧慮していない.従つて此等の諸量は不変でも,流量の起こる時間的順序が異れば,日流量の変動度を等しいと考えることは穏当でない場合も起こり得るであろう.そこで筆者は河川流量の変動の程度を測る他の尺度として変動係数(coefficient of dluctuation)なる量を導入した.n日間の日流量を時間的順序に記載した記録があるとき,その日の流量と翌日の流量との差を最初の日から最終の日の前日まで総計したものをその期間内の日流量の全変動(total fluctuation),此を此の期間の全日数で除した商を平均変動(mean fluctuation)と呼ぶことにする.若しn≧3ならば,日流量の全変動は日流量合計の2倍に迄は達し得るが,此を越えることはない.全変動の日流量合計の2倍に対する比を日流量の変動係数(F)と名づける.或は平均変動をD,平均流量をxとすれば,F=nD/2nxとなつてGiniの集中係数を定義した式の中のΔをDで置きかえた形となる.1-Fは流量の定常性を表わす一つの尺度と解し得るであろう.こゝでは日流量の変動係数および集中係数を九州地方の8山地河川について計算した.資料を提供された旧日本発送電株式会社九州支店に対し深謝の意を表する.また同支店土木部水路課の丹波秀雄氏には特別の御配慮を煩わした.こゝに同氏の御好意に対し厚く御礼申し上げる.なお本研究は費用の一部を文部省科学研究費に依つて行つたものである.