<学術雑誌論文>
発熱と画像との乖離を示唆した誤嚥性発熱の一例

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概要 A debilitated 63-year-old man with Alzheimer disease who had a 6 week-history of high-grade fever of unknown etiology became afebrile 1 week after gastrostomy was performed to prevent aspiration. Ther...e was no active infiltration on imaging studies, such as chest X-ray films and computed tomography of the chest. Thus, this clinical condition could be described as aspiration-related fever. In other words, imaging studies may not be the gold standard for diagnosing fever related to aspiration.
緒言:原因不明の発熱で,胸部単純X 線写真,胸部CT にて異常陰影を認めず,胃瘻造設後約1週間で解熱した症例を報告する.症例:63 才のアルツハイマー病の男性が高熱を主訴に入院となった.咳など他の症状は認めず,膿尿を認めたため,尿路感染症の診断で抗生物質治療を施行した.しかしながら,一時的な解熱で,抗生物質中止後は再度発熱が続いた.胸部単純X 線写真,胸部CT では肺炎を示唆する陰影は認めなかった.血液培養も陰性であった.発熱は約6週間続いたが,食事中のむせ込みに対する胃瘻造設後約1週間で自然に解熱し,退院となった.考察:誤嚥性肺炎は,高齢者の発熱の原因として最も多い病態の一つであり,胸部X 線写真もしくは胸部CT にて異常陰影を認めると言われている.また高齢者において,胸部画像診断で異常を認めず,原因が明らかでない発熱は,臨床の場でしばしば遭遇する病態である.多くは,自然に解熱するか,尿路感染症と診断され抗生物質の投与で解熱する.本症例は,胃瘻による誤嚥防止により解熱しているが,病理学的に肺炎の有無は不明であり,誤嚥性発熱と表現できる病態と考えられた.これらのことは,誤嚥における画像と発熱の乖離の可能性を意味し,画像診断が誤嚥に関連した発熱の確定診断の手段とは必ずしもならないことを示唆する.結語:高齢者における原因不明の発熱の原因として,画像所見陰性の誤嚥性発熱の存在を示唆する症例であった.
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登録日 2010.02.17
更新日 2021.07.28

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