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この研究の目的は、カザフスタンと中国のエネルギー協力に関して、カザフスタンの視点にたった新しいアプローチを打ち出すことである。カザフスタンと中国の関係を研究している専門家の多くによって採用される見方とは対照的に、本研究はカザフスタンと中国の間に築かれた協力関係の理由について論じる。カザフスタンは、中国がもつ経済的、政治的パワーを利用することを通じて自国の経済発展をはかる狙いから、企業と農業とインフ...ラの近代化を目的とした中国の投資を積極的に受け入れるようになった。それを通じて、カザフスタンは代替的なエネルギー資源を開発することを試みるとともに、再生可能なエネルギー資源の開発にも多大な意欲を示している。その際、中国が保有する新しいエネルギー資源分野の技術がカザフスタンにとって役に立つ。さらに、中国との協力は他国への石油とガスの輸出ルートの多様化にもつながる。すなわち、カザフスタンの戦略は、ルートの多様化とロシアのパイプラインへの依存を減らすことである。特に、現在の国際環境にあっては、その方策は、ロシアに対する西欧諸国の制裁から派生するマイナスの影響を減らすことを可能にするだろう。以上を通じて、本論文は、カザフスタンの中国に対する外交政策をより深く理解することを可能とする一連の要因を概説する。また、本論文で強調したいことは、中国が、カザフスタンの原油をもっとも多く輸入している国であり、カザフスタンの経済発展に貢献している最大の投資家の役割を担っている国であることに加えて、カザフスタンが試みるロシアに対するソフトバランシング政策に貢献する国だということである。この論文はカザフスタンと中国の間に築かれた経済およびエネルギー協力に主として焦点をあてた研究である。カザフスタンの中国に対する外交政策は非常に重要なテーマであるが、これまで国際関係の研究分野において注目されることは少なかった。その意味で、本研究は、先行研究とは異なる新しい視点を提示する役割を果たしていると考えられる。show more
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