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| 概要 |
本研究は、厳格な規律遵守と自発的なエラー学習の両立が求められる高信頼性組織において、管理職に対するセキュアベース・リーダーシップ開発プログラムの実践的適用と、それに伴うリーダーの役割認識および行動変容の動態的プロセスを検証したものである。大手運輸業のサービス部門の管理職41名を対象に、独自開発したリフレクションツール「Secure Base Card」や同僚との相互省察を取り入れた3ヶ月間のアクシ...ョンリサーチ型プログラムを実施し、混合研究法を用いて分析を行った。対応のあるt検定による定量分析の結果、自己評定形式に改編しデータを収集したセキュアベ―ス・リーダーシップ尺度(池田他, 2022)において全体平均では各因子に有意差が見られなかったものの、初期評価の低位層において「安全・安心」因子に統計的に有意な向上が認められ、部下の心理的拠り所となる安全・安心の土台が形成されたことが示された。また、修正版グラウンデット・セオリーアプローチ(M-GTA)による定性分析の結果、リーダーはツールを通じた内省や同僚との対話によって自らのコミュニケーション傾向に対するセルフアウェアネスを高め、自己認識の揺らぎや葛藤を経て、従来の「完璧な上司像」から部下に寄り添う「伴走者」へと役割認識およびアイデンティティを再構築していく構造的変容プロセスが解明された。これらの知見は、高圧力下にある現場において、リーダーの自己開示と部下の肯定的応答による双方向の相互作用、ならびに具体的な行動指針やリフレクションの機会がセキュアベース・リーダーシップ獲得に向けた有効な触媒として機能することを示唆している。総じて本研究は、現場起点のリーダーシップ開発における実践的取り組み事例としての価値を提示するとともに、リーダーが安全基地を初度獲得していく動態的プロセスを実証的に解明した点において、セキュアベース・リーダーシップ理論の進展にも寄与する示唆を提供するものである。続きを見る
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